スペイン新幹線は日本のような分刻みの過密ダイヤではない。1時間に1,2本というのんびりしたもので、旅客数が多い時には車両をダブル編成させて運行する。自由席や立ち席もなく。全席指定である。
車両間の油圧リンク
日本の車両のように、車体に2つのボギー台車を配した構造ではない。各車両の連結部に車輪が配置されている。振動が座席に直接伝わらないので、静かな走行が印象的。
大きな特徴としては、走行の途中で軌道変更が可能な特殊構造を持った車両があること。スペイン新幹線はヨーロッパ標準軌を採用しているが、在来線は広軌なので、相互乗り入れをする場合に使われる。新幹線と在来線の接点に設けられた信号所に入り、動いている状態のままで自動的に車輪幅が変わる。フラットなリレーラーのようなレール上を超スロー運転しながら、車軸の幅を広げたり狭めたりする。
これは一世を風靡した国際列車「タルゴ」の装置を受け継いでいるが、メカマニアにはたまらない。スペインが特許を持っている独自のシステムで、その地点に差しかかると好奇心でワクワクしたものである。
台車部の軌道幅調整装置
新幹線の駅はバリアフリーで、各駅にスロープ式エスカレーターがある。アシスタンスが必要な乗客は、あらかじめ連絡すれば駅の係員がケアしてくれる。
車椅子アシスト風景

