盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます。音量に注意してください。>
私にとって夏の大切な風物詩。
少し疲れているのでゆっくり行こう。
盛岡から東北自動車道にのり、北へ。
快調に走る。
北上するにつれ、
奥羽山脈と北上高地が近くなり山あいを走る。
二度ほど休憩をとり、いよいよ津軽平野に。
空が広い、広い。
Shinjuku Twilight · Eddie Higgins Trio
今年も8月4日から始まった五所川原の立佞武多。
7時には始まる。
6時過ぎに会場の近くに着いた。
毎年、訪れる御菓子処「葉山」さん。
着くやいなやご夫婦が迎えてくれる。
昨年は盛岡でも会っている。
尽きない話。
すると、ほかにもお客さん。
毎年祭りに出る人達を紹介してもらった。
膝の辺りの紐は何だろう。
「血止め」というそうだ。
調べてみると、
江戸時代、飛脚が履く草鞋の余った紐を膝に巻き付けていた。
長い距離を走るのに役立ったらしい。
それにしてもカッコイイ祭りの装束。
皆さんよく似合う。
4人の中にイラストレーター「レノシエ」さんがいた。
この内輪のデザインも彼女。
高さ20メートルを超える立佞武多を見るには、
向かって右側がいいそうだ。
たいてい佞武多の顔が左したを向いているという。
なるほどと感心。
見る前から今年の立佞武多は始まった。
7時に始まる運行。
祭りが始まると、すぐ空は真っ暗に。
その辺のビルより高く、20メートルを超える立佞武多。
初日のせいもあり「ヤッテマーレ」の掛け声と共に熱気を帯びてくる。
観客と一体感のある祭りだ。
葉山で会った人達も見た。
月曜日だが初日で天気予報は翌日から雨模様。
そのせいもあり、凄い人出だった。
8時過ぎ、ひと通り運行を見て、
急ぎ足で葉山へ。
毎年帰りは急がないと街を出る渋滞に捕まる。
頼んでおいたお菓子やお土産を車に積み込んだ。
お二人に見送られ、盛岡へ向かった。
今年は十何年も通い、初めて祭りに出る人の話を聞けた。
松橋夫妻の葉山には色々な人が集う場所なんだ。
初めて葉山の引き戸を開けた時のことをはっきり覚えている。
店構えからして懐石料理の店かと思った。
心して入ると、綺麗な和菓子が並んでいた。
それから毎年、和菓子を買っている。
あまり得手ではなかった和菓子を好きにさせてくれた店だ。
始めの数年は挨拶程度でただの客だった。
自然に話す時間が長くなり、
今では、親戚の家を訪れる様な気分でお邪魔する。
時は流れ、小中学生だったお子さん達も社会人。
毎年、色々なことを思い出しながら帰る。
翌日、買ってきた和菓子を食べた。
文葉(ふみよ)
想い花
緑陰
露梅
草の香餅
麩まんじゅう
桃時雨
上用饅頭
葉山
一つひとつに作り手の想いが込められている。
甘さを抑えることで逆に引き立て、
品のよい食べ飽きない和菓子だ。
私の記憶では津軽のお菓子は甘味が強いが、
葉山の和菓子は好みだ。
品のよい仄かな甘さでお茶とよく合う。
松橋さんは、私がいつも夏に訪れるので、
春と秋冬の菓子を送ってくれたことがある。
その心遣いに感服した。
店の造も素晴らしい。
木の使い方、床の素材と壁には藁。
あらゆるところに手を抜かない。
店に入るたび、流されがちになる自分の仕事の戒めになる。
立佞武多と葉山の菓子。
こうして今年の夏も過ぎていく。
あれれ、くずきりそうめんを買い忘れた。(笑)
一度、津軽の厳しい冬に訪れてみたい。
そんなことを想った今年の立佞武多。
五所川原市、御菓子処「葉山」