盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます。音量に注意してください。>

 

 

花巻の繁華街の上町から市役所への近道、ひゃっこ坂。

昔、森に囲まれた坂道は夏もひんやりしていたらしい。

「ひゃっこ」とは方言で冷たいだ。

 

 

 

 

その坂の下に立つと、石垣の土台に土塀が見える。

傾斜を利用した庭がある100年前に建てられた旧橋本家別邸。

一時は荒れかけたが、見事に蘇り、「茶寮かだん」となり10年。

 

 

Have Yourself a Merry Little Christmas - Michael Bublé (cover by Arpi Alto)

 

久し振りに訪れた。

まず、庭から眺める。

 

 

世界に誇る童話作家「宮沢賢治」さんが、

よくここを訪れていて傾斜のある庭に花壇を設計した。

縁側でお茶を飲んだというから、

この石に脚を下ろしていたのかもしれない。

いつも、そう思うとワクワクしてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

一度門の方に戻り、玄関へ。

 

 

オーナーの一ノ倉夫妻に迎えてもらう。

洋間を見て賢治さんの妹さんが弾いていたというオルガンの前に立つ。

ますます高まるワクワク感。

 

 

 

 

玄関にある写真。

この建物の瓦は緑で緑御殿とも呼ばれた。

その上にカモシカ!

 

 

よほど居心地がよかったのだろうか、

賢治さんのファンだったのか、

数年前に一ノ倉さんが撮影したものだ。

 

 

縁側の席に座った。

元気のなくなった庭になんてんの紅が気を吐く。

 

 

緑の瓦は珍しいそうだ。

 

 

 

 

今日のランチをお願いした。

古民家カフェ「茶寮かだん」の奥さんの作る優しい味で人気のランチ。

一ノ倉さんの田圃でとれた新米だ。

美味しい~

 

 

 

 

茶碗蒸しまでついて、価格はリーズナブル。

真っすぐに揚げられた海老はプリプリ。

 

 

汁椀には素麺。

こういうのが好きだ。

 

 

粒立つ新米のご飯は太陽の光を浴び輝く。

 

 

この建物は、病気がちの奥さんのために建てられた別邸。

丘の上にあり、当時は花巻の街を見下ろした。

一部屋ごとに趣が異なっていて住み飽きない工夫。

贅沢に使われた結霜硝子など。

光の扱い方に匠の技巧。

季節ごとは勿論、一日いちにちごと、時間ごとに光を変える。

珈琲を飲みながら、いつまでも見ていられる。

 

 

安らぎの空間で、優しい味のランチや珈琲。

疲弊した神経が解けて心が整う。

別邸を建てた人、作った人。

修復して蘇らせた人、

ランチの作り手と関わる人が訪れる人をもてなす。

カモシカだって来てみたくなるさ。(笑)

 

あっ!

まだまだ花巻で色々と用事がある。

一ノ倉夫妻に見送られてひゃっこ坂を下りた。

 

 

 

 

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