盛岡食いしん爺日記
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久振りが多い今日この頃。
一年ぶりぐらいにある人と会った。
待合わせ場所を決めあぐねていた。
飲むにしても私はノンアル。
どうせならと、職場近くまで迎えに行った。
懐かしい職場の前に停めた。
十数年はここで働いた。
セクションは変わったが、この建物に縁があった。
すぐに彼は玄関から出てきた。
助手席に座るなり言った。
「里伊には、最近行った?」
「昨年ですね、行ったのは」
そらなら久し振りに行こうと言った。
人気の店なので、一応電話。
席はとれた。
彼は、私がノンアル専門であることは知っている。
里伊の近くの駐車場に停めた。
Sabor A Mi · Lisa Ono
店に入るなり、スタッフの活きのいい声が迎える。
マスターもいつもの笑顔。
彼の微笑みは、訪れた人を元気にする。
「お~久し振りですね。」
「やっと来れた~」と答えて席に。
彼はビール。
私はノンアルコールビール。
注いでもらううちにノンアルを忘れてしまう。
まずは乾杯。
ここに来たら食べたいもの。
里伊の出汁巻き玉子。
スタッフが「どうします?」
サイズのことなのだ。
色々食べたいのでハーフに。
放し飼いで育まれた鶏の玉子の優しい色合い。
ふんわりとして鰹出汁が染みて美味しい。
呑みながら話しながら、そして食べながら。
私と一緒の呑み会は、食べ物が並ぶ。
次はチューリップ唐揚げ。
これも人気の一つで、食べ始めると止まらない。
やはり刺身も。
三陸の宮古産ヒラマサと釜石産のヒラメ。
テーブルに置かれる。
気がつくと箸を持っていた。
どちらも獲れたてのあのプリッとした食感!
刺身を口に入れ、舌は鳴らさなかったが舌鼓。
ヒラマサとはこんなに美味しい魚だったのか!
ヒラメも言うことなし。
いつも食べる「海老真薯(しんじょ)」がない。
聞いてみると、いい海老が入らないので今休んでいるとのこと。
見た目も奇麗で大好きなのだ。
すり身の海老の風味を山芋などが包み込んで登場するのだが・・・
(では、いつぞや食べた時の写真を)

サツマイモの天婦羅も人気だと言う。
早速、頼んだ。
ホクホクしながら口の中で粘り気も感じる。
甘い!
お薦めだけある。
呑み食べるほどに話はあっちへ行ったりこっちに来たり。
一緒に仕事をしたのは、かれこれ20年も前のこと。
話題は今現在のことが中心。
彼は一回り以上も若いが、同じ目線で話し込む。
長い間に成長し、もう深い言葉が口から出てくる。
何度も頷いて聞いていた。
フリーランスとして長くなった私は、既に刺激を受ける立場だ。
さて、次の肴は何にしよう。
丁度マスターがやって来た。
彼は、必ずお客さんのテーブルを回る。
スタッフの活きのよさと、
マスターの心配りも里伊のとっておきのメニューの一つ。
肉豆腐も人気とマスターも言う。
そう聞けばもう、反射的に「じゃあお願いします」。
出てきた肉豆腐。
牛肉の旨味が溶け出し、豆腐を包み込む。
美味しい~
かれこれ2時間を過ぎ、ぼちぼち解散。
マスター、スタッフが見送りに来た。
「いやいや、久し振りに来れてよかったし、美味しかった!」
「千葉さんも元気そうでよかった」
「ノンアルで一杯やってご飯食べに来ます」
「お待ちしています」
2015年にオープンした里伊。
誰でも寛げる場として居酒屋でなく居酒家。
そこには岩手の食材を活かしたメニューが並ぶ。
日本酒は彼の出身の釜石の「浜千鳥」を始め地酒を揃えている。
マスターは三陸鉄道の応援団でもあり「さんてつサイダー」もある。
訪れたのは2023年の5月以来。
久し振りに来た今宵も知人が営む店に来た感じだった。
来てよかった。
そして、ノンアルコールビールなのに、
一緒の呑み手とマスターたちのお陰でゆっくり呑んだ気がした夜。












