盛岡食いしん爺日記
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先日、高校時代のクラスの数人と花巻で会った。
ゆっくり火鍋シスターでランチ、
花巻東高校を見て「るんびにい美術館」を見学してお茶タイム。
女子から東京の女子へメールが送られた様だ。
久し振りに会い楽しかったと。
昨日、そのメールを受け取った東京の女子から電話がきた。
20分ほど、私にしては長電話。
色々な男子の名前も出て懐かしかった様だ。
ここ数年、病気が続き歩行器で歩いているそうだ。
声は明るく元気だった。
「盛岡食いしん爺日記」のブログの見方を知りたいと言う。
ヤフーでもグーグルでも題名か「食いしん爺」でも検索すれば出ると知らせた。
本も買いたいと言われたが、
東京は池袋のジュンク堂本店だけでインターネット書店もある。
しかし、盛岡の書店でもだいたいは完売している。
在庫を探して見なくては。
スマホを置くと11時半。
ランチに「直利庵」へ出かけた。
高層マンションに囲まれても威風堂々。
昼前だったが混み始めていた。
Will You Dance? · Janis Ian
そろそろ、きのこ料理が始まっていると踏んだ。
たまたまカウンター席が空いていた。
メニューとは別に壁に貼ってある、
アミタケが目にとまり頼んだ。
「ポン酢にしますか、醤油にしますか?」
と店の方が聞く。
醤油と答えた。
ほどなくテーブルに置かれた。
大好きなキノコだ。
ほどよいぬめり感とプルンとした食感。
美味しい!
今年初だ。
昔、父は70代前半で逝ってしまったが、
退職後は好きだった魚釣りやキノコ採りに出かけた。
そんなに山深く入るわけではなかった。
一度だけ一緒に行ったことがる。
キノコ採りというより、道端から眺めてちょっと入る程度。
その時も少しアミタケとハツタケが採れた。
秋になると父の知人からキノコが届いた。
いただいたキノコの方が圧倒的に多かった
あの頃は、皆で季節の味を楽しんだものだ。
思いに耽っていると、カツ中華が来た。
辺りは満席。
2階へも案内している。
初めて直利庵を訪れたらしいお客さんが、
不思議な顔でチラチラとカツの入った中華そばを見る。
その日、私は午後にバドミントンに行くので、
上下とも黒い運動着姿。
どう見ても地元の人。
カメラを取り出し写真を撮っているとまた視線を感じる。
「ふふふ、カツ中華のカツはスープに浸ってもころもが剥がれないのだ」
と心の中で呟く。
全体をさっぱりとさせる沢山のネギもいい。
長野の方の娘さんが盛岡の大学に入った。
直利庵でアルバイトをしていた。
娘さんに会いに来た時、思い切ってカツ中華を食べた。
ひと口食べたら不安も吹っ飛んだそうだ。
たいてい初体験の人は、
ふやけてころもの剥がれたカツを思い浮かべる。
老舗直利庵には、様々なそばがある。
白子や牡蠣、頭からほろほろと崩れる鮎そば。
夏には野菜たっぷりの野菜そば。
どんぶりいっぱいに鰹節が山盛りのオニオンそばなど。
どれも実に美味しく、一度食べると虜になる。
品のよい中華そばに、ふやけずころもが剥がれないカツ。
最後までスープは透きとおったまま。
これが直利庵のカツ中華だ。
隣に座った方が「牡蠣そば」と言うと、
「すいません、まだ時期ではないのでありません」
私がカツを食べ、麺をすする。
チラチラと見ている。
なんだか運動着姿で奇妙な優越感。(笑)
いよいよ混んでいるので蕎麦湯を急いで飲んだ。
女将さんに挨拶しながら、貼り紙を見た。
あれ?
松茸の菊花漬けがある!
しまった。
席の目の前だった。
「今度、食べに来ます」
と言って直利庵を後にした。
体育館に向かいながら、
以前、盛岡でミニクラス会をした時、
直利庵でたちこ(しらこ)そばを食べた。
今度、東京の女子から電話が来たら、その話をしよう。
言葉や写真だけでは、なかなか伝わらない直利庵のそばもある。
さて、ひと息ついてバドミントンだ。