盛岡食いしん爺日記
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花巻に移住した人が久々に盛岡へやって来た。
2軒の古本屋を回り、リュックは重たそうだ。
根っからの本好き。
待合せたのは午後2時過ぎ。
遅いランチに行くことに。
「苦手な物は何だったかな?」
「前にも聞かれて、言いましたよ。一切ありません。」
そうそう、そうだった。
花巻出身の奥さんがいる中ノ橋通の北田屋へ案内することに。
昼前から夕方まで通しで店を開いているので、
こんな時はとてもありがたい。
そして美味しい蕎麦なのだ。
Gipsy Kings - Inspiration (Audio)
北田屋は盛岡の中ノ橋通。
盛岡信用金庫本店の裏手の路地、通称愛染横丁にある。
猫がいると、二人で歩み寄り写真を撮った。
彼女はカメラを買ったばかり。
昨年に写真をやりたいというのでカメラを貸したのだが、
一眼レフより手軽に撮れるカメラを買った。
それで、返しに来たのも盛岡に来た理由の一つ。
もう一つは、本を買うことで、ついでに色々な相談も。
愛染横丁には北田屋があり、
イタリアンのフィロ、
珈琲豆と喫茶のワルツもあり正面には老舗そば屋の東家も見える。
東家のある旧町名葺手町とこの横丁は私のお気に入りの街。
道すがら話は尽きず、あっという間に北田屋に着いた。
暖簾を潜ると客はいなかったが、
席についていると、3組が続いて入ってきた。
数分もしないうちに賑やかになった。
忙しくなったが奥さんと話も出来た。
店の夫婦は、あちこちの山に登ってきた。
特に早池峰山が大好きで40回も登った。
しかし、最近は歳を重ねたせいか時間があれば街から近郊を歩いているそうだ。
山は体力がなくなると下りが怖いそうだ。
旦那さんが撮った写真が店の中に飾られている。
花巻から来た人は山野草も好きなので、
山に咲く花の写真を熱心に見ていた。
彼女は天ぷら蕎麦。
ひと口ふた口食べると、顔をあげ、
「美味しい!優しい味ですね。」
といい顔をする。
私は「冷たぬきそば」。
中ノ橋通の北田屋は、昭和15年頃から始まった。
今は2代目で昭和53年「冷たぬきそば」を始めた。
もう50年近い。
サラリーマン時代にはランチのほかに残業前の腹ごしらえも。
リーズナブルであの頃はとても助かった。
そばとご飯に煮物などセットのそば定食や丼ものも人気で、
中華そばを食べに来る人も多い。
昼時は今も地元の人で賑わう。
北田屋の説明をしているうちに 私の冷たぬきの大が登場。
向かいから声が上がった。
「わぁ~ 美味しそう!」
「美味しいのです。次来たら是非。」
この冷たぬきのために揚げたばかりのサクサクの揚げ玉。
たっぷりの海苔とワサビ。
かき混ぜながら食べる。
つゆを絡めたそばの美味しいこと。
そばの風味が豊かで、食べ飽きない味だ。
揚げ玉の食感がつゆを吸いしっとりとしてくる。
すると、つゆに甘味が出てくる。
それをワサビがしめる。
夏だけではなく真冬でも食べたくなる冷たぬきそば。
美味しい~
一見してシンプルだが味わい深いそばだと私は思っている。
帰りがけ奥さんが、
「サラリーマンだった頃の常連さんが、
今も時々店に来てくれ顔を見れるのが嬉しい。」
と言う。
一緒の人が分かる気がすると微笑む。
私は、当時の思い出も多くあるが、
この味が好きだから今もよく訪れる。
そして、ご夫婦と話すことも楽しみの一つなのだ。
今度は、中華そば定食を食べに来よう。
盛岡市中ノ橋通
そば処 中ノ橋 通北田屋