盛岡食いしん爺日記
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日も暮れて仕事が終わり一緒の人と何ということのない話。
始まりは忘れたがカレーの話になった。
子供の頃のカレーは甘めだったが、ご馳走だったこと。
おかわりをして満腹になっても食べた。
若い頃は、飲む様にして食べものだ。
そんな話をしているうちに食べに行こうとなった。
すぐ2人が一致した店は、カレー工房chalten(チャルテン)。
店に向かいながら、その人はグリーンカレーがいいと言う。
私の頭の中にはスパイシーで野菜たっぷりのキーマカレーが浮かんでいた。
もう6時半ともなれば辺りは暗い。
日没と共に風が冷たい。
もともと北国の秋は短いのに、
この頃はあっという間に秋は過ぎていく。
「いらっしゃい。空いている席へどうぞ」
入口近くのテーブル席に腰を下ろした。
椅子なども手作り感がする。
よく見ると一つひとつが違う。
カレー工房チャルテンのご主人は南米に4度行っているが滞在期間が長い。
トータルで3年ぐらいは滞在しているそうだ。
4度目には奥さんも一緒に標高4千メートルを超える道をなんと自転車での旅。
2人とも高山病にかかることもなかったそうで、
若かったせいもあり順応できたのだろうと言う。
壁に飾られた写真は空の色が違う。
食事は、ご飯を炊き、チャーハンばかりなので、
ソーセージやベーコンなど保存のきく物も自転車に積んだ。
町に着けば色々な物を食べたらしい。
話を聞くと驚きばかり。
若いからできたというが、
「2人とも普通の人間じゃないですよ」
そう言うと、笑っていた。
2006年のオープンなのでもうすぐ20年。
私が初めて食べたのは、まだサラリーマン時代のこと。
新しく出来たカレー専門店に興味があったのと、
ランチはささっと食べられていいだろうと思って入った。
確かポークカレーを食べた。
とても美味しくて飲むように食べて職場に戻った。
もう一昔前の話だ。
その日は珍しく店に入る前に決めていたメニューどおり。
グリーンカレーと野菜たっぷりのキーマカレー。
2人とも粗びきソーセージをトッピング。
グリーンカレーの登場。
スパイスは南米産。
ペルー産のアヒ・アマリージョ、ロコト、コリアンダーなど。
いそいそとミニサラダから食べ始めた。
グリーンカレーを食べながら、
「美味しい~」と満足気。
ほどなく野菜キーマカレーもできた。
ファインダー越しに見ているだけで、もう美味しさが口の中に広がる。
カメラを置いて食べ始めた。
「キーマ」とは細かい物を言うらしい。
挽肉と刻まれた野菜が艶々のご飯にのる。
福神漬けもラッキョウも存在感がある。
一番うえにのる粗びきソーセージから。
噛むと滲み出る肉の甘味。
美味しい!
スパイスと野菜の旨味が一つになって美味しい。
そしてご飯が美味しいのだ。
粒立つご飯は艶々。
辛さは希望できる。
長年通っているが、まだ初心者。
一番下の辛さ。
食べて進むうちにジワリと辛味を感じる程度。
あっという間に完食。
一緒の人はあちこちではご飯を少なめに頼むが、
ここではグリーンカレーのライスを普通に食べてしまう。
今宵は満足の夕飯になった。
「美味しい」は「幸せ」だ。