盛岡食いしん爺日記
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9月18日、朝は肌寒いぐらいだった。
昼になっても気温は上がらない。
異常に暑かった夏は何処へ消えたのか。
午後にバドミントンをしたものの調子が狂う。
夕方、家に帰って慌てて長袖を探しているとメール。
「肉を食べに行かない?」
「了解!」と返した。
集合場所はハンバーグで人気の「瑠奈」。
駐車場で合流して中へ。
「おや?」
本日のおすすめがある。
ワクワクして中へ。
Summertime (Live) · The Oscar Peterson Trio
中はまだ空いていたが、
次々に家族連れやカップルが入ってきた。
一緒の人は、エッグハンバーグ。
店の人に聞いている。
「あの、玉子は少し焼いてもらっていいですか?」
「はい、大丈夫です。どのぐらい焼きますか?」
「すいません、少しだけ固めに。」
「かしこまりました。」
我儘を聞いてもらい、喜んでいた。
しばらく月見をしていないので、月見だと笑う。
まずサラダとスープが運ばれて来る。
少ししてエッグハンバーグが置かれた。
「このぐらいで、いいですか、もう少し焼きますか?」
「ありがとうございます。バツチリです。」
「月見ハンバーグだ」と喜んでいる。
200グラムから熱々の鉄板にのって来る。
まるでデミグラスソースの海に浮ぶお月様だ。
このぐらいが好みらしい。
お~!
見てのとおり、
これは美味しいに違いない。
とろとろの玉子もいいが、この焼き加減で食べてみたい。
私の本日のおすすめが登場。
岩手県産黒毛和牛のイチボのステーキ150グラム。
希少部位らしい。
さて、食べよう。
「ところでイチボってどこなんだろう?」
と呟くと一緒の人が説明してくれた。
まず和牛とは、
黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種。
それに、この4種の交雑種だけを言う。
明治期から品種改良がされ、
例えば、有名ブランドの松坂牛、米沢牛など。
イチボは、もも肉のうちお尻に近い部位。
主に赤身で適度な霜降りがある。
一頭からごく僅かしかとれないそうだ。
おしまいに「まあ、幻の肉と言っても過言ではない」
とグルメ評論家の様な口ぶりなので思わず笑ってしまった。
先に瑠奈のオーナーの田んぼの米を。
美味しいご飯に続いてステーキを刻んだ。
しっかりとした肉質で肉の旨味が濃い。
噛むほどに嬉しくなる。
説明を聞いたのでますます味わい深い。
向かいの人に聞いた。
「どうしてイチボのステーキを頼まなかったの?」
すると、ハンバーグが食べたかったのと、
ひと切れぐらい味見が出来るだろうと思ったと笑う。
解説のお礼にひと切れをあげた。
何度も頷きながら、満足そうな顔。
猛暑が続いて胃腸も疲れていたが、
そろそろ肉の季節だと二人で盛り上がった。
最近、肉と言えば赤身が多くなった。
昔は、口の中で溶けてしまう霜降りに憧れた。
気がつけば、嗜好が変わっている。
そんな話が続き、
歳を重ねてきたからだと、オチがついた。
美味しかったと告げて瑠奈を後にして解散。
帰り道にふと思った。
休日もなく毎日牛を育む人、丁寧に食材を調理する人など。
近頃、命をいただくことや関わる人への感謝の気持ちが薄れている。
家に帰って珈琲を飲みながら、
感謝を忘れない様にしようと思った夜。
盛岡市津志田
ハンバーグで人気の「カフェレストラン瑠奈」