盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
毎年の恒例。
盛岡市創業明治17年の老舗そば屋「直利庵」の野菜そば。
夏季限定。
彩り豊かで涼し気なそば。
【小野リサ】Sá Marina
<音楽が出ます。音量に注意>
一年ぶりだ。
冷やされたガラスの器。
糸のようにスライスされたオレンジ色の人参。
鮮やかな緑のピーマン。
香り豊かな削り節は微かな空気の流れでも踊る。
薄茶とオレンジ、緑の下に敷かれた玉ねぎ。
品のよいそばは一番下に隠れている。
どう食べようかと、いつも迷う。
結局、少しずつ食べてみる。
その後、蕎麦を掘り起こす様にしてつゆと混ぜる。
しっかりとした老舗のつゆを野菜に合う様にアレンジ。
夏だけの楽しみ。
青南蛮漬けのキノコも頼んだ。
冷やされ、ほどよい辛さがキノコに絡み清々しい。
美味しい。
直利庵には「季節の変わりそば」というメニューがある。
山菜の季節は、春を感じるたらぼ天。
夏は、冷たい野菜そば。
キノコの時期は、松茸そばや子持ち鮎のそば。
鮎のそばは、軽く噛むだけで頭からほろほろと崩れる。
冬になると、臭みなくクリーミーなたちこ(白子)そば。
柚子が香る牡蠣そばも始まる。
季節の変わりそばは、毎年、始まる時期が違う。
直利庵が納得する食材が入るまで始まらない。
このところの環境の変化もあり、
ここ数年は特に始まりや終わりが例年と違う。
今年、野菜そばの始まりは少し遅かった。
適したピーマンの収穫が遅れたらしい。
単に食材の「こだわり」という言葉だけでは語れない気がする。
訪れる人に味わってもらう味づくりに妥協と言う言葉は無い様だ。
そして、なんといっても更科の品のよいそば。
完食!
美味しかった。
ガラスの器はまるでこれから盛りつける様だ。(笑)
盛岡には、私が好きなそば屋が何軒かあり、
その時々の自分が好きに選べる贅沢がある。
直利庵には、いつも襟を正して訪れる。
そして、美味しく幸せな時間の後、
帰りには周りを高層マンションに囲まれた店構えを眺める。
130年を超える直利庵の歴史の中で街は変わってきた。
それでも威風堂々に見える。
歳を重ねてきた自分もまだまだ頑張らなくては。
あまり妥協しない様に仕事に向き合おう。
などと、思いながら帰る。
直利庵(ちょくりあん)
〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1-12-13