盛岡食いしん爺日記
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時々食べたくなるジンギスカン。
まだまだ全国的にあまり知られていない様だ。
北海道や長野で食べられているらしい。
山形蔵王でスキーをした帰り、
山麓でジンギスカンの店を見つけて食べた記憶がある。
岩手では遠野に何店かあり、
バケツを使うジンギスカンもある。
その夜は盛岡の南に隣接する矢巾(やはば)町へ。
遠野食肉センターが営む「矢巾店」。
I'll Be Home For Christmas · Beegie Adair
中はお洒落なレストラン。
子供の頃、父がジンギスカンの鍋を買ってきた。
鉄製で真ん中が高くなり縁が反りかえっている。
テーブルいっぱいに新聞紙を敷き、
別の新聞を広げて折り目の辺りを切り抜き、
そこから顔を出して使い捨てのエプロンに。
羊の肉はけっこう脂が多く、
鉄鍋の傾斜に沿って縁に溜まる。
そこにモヤシなどを入れると脂が飛び跳ねた。
その頃、一関市に住んでいた。
確かジンギスカンの店があった気がする。
当時、羊肉はマトンと言い臭みが強かった。
そこでタレが重要だった。
大柄な父は、台所で背を丸め、タレを作った。
りんごやタマネギを擦りおろして入れた。
味の決め手はニンニクだと話していた。
ご飯を何杯もおかわりした。
中学生になると、
母は、よそってばかりで落ち着いて食べられないと、
私の茶碗を丼ぶりにした。
今のジンギスカンは、ラムが主流。
臭みもなく殆ど癖もない。
肉質もやわらかく脂身が甘くとても美味しい。
身体にもいいらしい。
まず、てっぺんに脂身をのせ、
脂を鍋にいきわたらせてから肉を焼く。
下の縁には野菜。
ジンギスカンにはモヤシがよくあう。
半分ほど焼くと、
タレを含ませた肉やモヤシをご飯にのせる。
いつもやってしまう。
子供の頃に覚えたのだ。
タレにつけたモヤシだけでもご飯がすすむ。
昨年、関西から来た方がジンギスカンが大好きと言うので驚いた。
向こうではラムを手に入れにくく、取り寄せているそうだ。
空いた隙間時間に案内していてジンギスカンの話になった。
話のきっかけは忘れたが、
「岩手にもありますよ、盛岡でも食べられるし、遠野が盛んです」。
と言うと、
今からでも行きたいと言うほどだった。
ジンギスカンの発祥の地は諸説あるらしいが、
大正時代から始まり、まだ歴史の浅い食べ物だ。
そのうち盛岡冷麺の様に全国に広がっていく様な気がする。