盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます。音量に注意してください。>
久々に上ノ橋近くの喫茶「DAN(ダン)」にいた。
以前は、すぐ近くにあったが何年か前に移転。
サラリーマン時代、時々ランチに来ていた。
財布に優しく美味しかった。
André Rieu - The Second Waltz (official video 2020)
夕飯と打合せを兼ね、ある人と7時近くから来ていた。
カウンターには常連さんらしい人達。
テーブル席で仕事帰りに夕飯の人などがいた。
まず食べようと、一緒の人はしょうが焼き定食。
店の味は、料理上手の人が作る家庭的な味わいで人気だ。
「あっさりしているかと思ったら、丁度いい味つけで美味しい!」
見ていても美味しそう。
「どうしてこんな風に美味しく作れるのかなぁ~」
近頃、あまり食欲がなかったそうだが、黙々と食べ出した。
私はビーフン。
ダンのビーフンは美味しいのだ。
何しろ好きなビーフン。
ごま油だろうか、ほのかに立ち上がるいい香り。
たっぷり入ってる。
私の好みはビーフンそのものを感じたい。
あまり具が入り過ぎても淋しくてもいけない。
珍しくビーフンには煩い。(笑)
後から食べ始めたのに追い越して完食したものの、
ビーフンで興奮した胃がまだ騒ぐ。
ホットケーキと珈琲も頼んだ。
ホットケーキを食べながら、
ダンの前の店の話になり、何故か昔々のダンスの話になった。
あの頃、クリスマスにダンスパーティーが多かった。
昔も今もダンス、踊りが苦手だ。
ワルツを聞けば心躍るのだが、体が揺れない。
一度だけ盛岡の「さんさ踊り」に出たが散々だった。
昔々、ゴーゴー、ディスコも流行っていたが、
あちこちでダンパがあり賑わっていた。
学生時代に一度だけ誘われて行った。
上手な女性に誘導されてスロースロー、クイック。
大混雑で踊りが下手でも目立たない。
肩に手を置き残りの手で握り合い、ただ揺れていればよかった。
下手に動くと背中がぶつかる。
社会人になり、盛岡であるダンパに行くことになった。
広々としたホールで優雅に踊る人達。
東京で行ったダンパとは違い、数メートル移動してもぶつかりそうにない。
これは私には無理だ、そもそも踊れないのだ。
一緒に行った人達は巧みに踊っている。
壁の花ならぬ壁の染み。
踊り手に男が少なかった。
近くの花が意を決したように私の正面に立ち、
「よろしかったら踊りませんか?」
「いや、踊れないんです。」
それならどうしてこの場に立っているのだ。
という視線を残して背中を向けた。
「なるほど、それで話は終わりですか?」
一緒に来た人達に先に帰ると言った。
すると、背の高い女性が来て「踊れないなら、教えますから」
と言うや否や自信に満ちた手が私の手を引いた。
耳元で右、左と指図する。
必死で言うとおりにしているだけだが、相手は軽やかに踊る。
私はつっかえ棒のようなもので勝手に女性はスカートを靡かせる。
足元ばかりを見ていたら「顔をあげて」と言われた。
顔をあげると、壁際に誘ってくれた人がいた。
突き刺さるような視線だった。
美味しい珈琲を飲みながら向かいの人は大笑い。
「それは、自尊心が傷つく話だぁ~」
今でもさんさ踊りや映像でムーンウォークやエアウォークを見ると、
同じ人間とは思えない。
さてと、打合せを始めた。
打合せも終わって帰りながら思った。
昭和50年に始まったダン。
店主の女性もそのままに半世紀。
あそこにいると、つい昭和な話」になる。
盛岡市紺屋町
喫茶「DAN」













