盛岡食いしん爺日記
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予定より早く花巻での用事が終わった。
ふと、新しくなった店を思い出した。
遠野のジンギスカンで有名な「あんべ」である。
自分の距離感に自信がない。
おまけに雪が降り出した。
一緒の人が検索すると約48キロ、釜石道で45分。
「よし行くか!」と頷き合う。
一人より二人だ。
宮森の辺りで結構な雪。
1時間ほどかかった。
駐車場は広々。
こちらからも入れるようだ。
やはり、正面に回った。
高級な料理屋か和風レストランの様な店構え。
以前の昭和風情は見当たらない。
Kenny G - Have Yourself a Merry Little Christmas
中ではプリンやチーズケーキまで並ぶ。
ジェラートもある。
なるほど、あの黒光りするジンギスカン鍋はそのまま。
改築前は新聞紙を敷いていた。
「ずいぶん、かわったね~」と店の人に言うと、
すっかり変わり、以前の雰囲気が懐かしいと思う人も多いそうだ。
前と同じくてっぺんにラード。
焼け始めたら、トングで掴み鍋に油を塗る。
「えっ!」
一緒の人が声をあげて指差す。
そちらを見ると、ロボット君。
「働き者だなあ~」と二人で感心した。
焼き始めると、いい匂い。
ジンキスカンと言えば、タレが大切。
あんべの初代が試行錯誤の上作りだした「秘伝のタレ」が
引継がれている。
さっぱりしているが、
甘すぎず、酸味と辛味がいいバランス。
これが、美味しい肉をさらに美味しくする。
ジンギスカンを食べていると、よく思い出す父の背中。
家にはジンギスカン鍋があった。
子どもの頃、鍋がテーブルにのると喜んだ。
父は、醤油ににんにくやすりゴマ、りんごなどを入れ、
何度も味見して作った。
そのタレは食欲をそそったものだ。
ジンギスカンと言えば、北海道。
しかし、遠野でも盛んだ。
バケツジンギスカンというのもある。
あんべは、昭和22年の創業。
盛岡からも食べに来る人が多い。
そう言えば、大阪から中道あんさんが花巻と盛岡を訪れた時、
少し、案内させてもらったが、
車の中でジンギスカンの話になり、大好きで鍋もあるという。
「その遠野に行きたい」と言った。
しかし、その日の私の隙間時間の制約もあり断念。
今度来たら是非とも案内したい。
ラム肉は、栄養もある。
ここで食べると、くさみなんて全くなく、やわらかい。
脂身も甘く美味しい。
幾らでも食べられる感じで、ご飯がすすむ、すすむ。
タレをたっぷりつけ、ご飯にラム肉ともやしをのせる。
いつもやりたくなる。
早めに来たが、店を出る頃には、
ほぼ満席状態。
「来てよかった」
「美味しかった」
と店を後にした。
外は、少し雪が積もっていた。
新品のスタッドレスとはいえ、慎重に運転して帰ろう。
体は、ぽかぽかだ。