盛岡食いしん爺日記
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11月8日の朝、
まだぼんやりとした頭に何故か浮かんだエメラルドグリーンの湯。
確か、10日までの営業で後は冬季休業。
国見温泉森山荘。
コーヒーカップを置いて着替えた。
先日、思い立って訪れたが、
前に来た記憶は朧気で遠い記憶になっていた。
覚えていたのはエメラルドグリーンの湯。
あのお湯が恋しくなった。
国道46号線から国見に向かう道に入る。
急に静かになり聞こえるのは自分の車のエンジン音だけ。
目指す国見温泉の秘湯感が一気に高まる。
麓は紅葉の終わり。
Hymn To Freedom · Makoto Ozone
陽射しに映える鮮やかな紅や黄。
葉も疎らになり、明日には散ってしまいそうだ。
最後の舞台を見ている気がした。
時間は、11時を過ぎたばかり。
ゆっくり行こう。
さほど勾配はきつくないが、カーブの度に標高が上がる。
樹々の葉も少なくなってきた。
もう一つ二つ曲がれば国見温泉。
標高は約850メートル。
ここまで上ってくると裸同然の樹々がびっしり並ぶ。
峰の樹々の間から空が透ける。
駐車場には静かに主を待つ車が並んでいるが、
前に来た時より森山荘は静かだ。
登山客は、まだ駒ケ岳から下りてきていないのだろう。
2日後の10日に閉まる森山荘。
後は雪に埋もれそうになって春を待つ。
早速、温泉に入る。
青空も見えるが、風は冷たい。
今日は内湯に。
お~!
独り占め。
入浴料を払う時、
誰もいなければ撮影してよいと言われていた。
でも早々に撮り、カメラを置いて厚着の服を脱いだ。
脱衣場の空気は冷えている。
足早に緑の湯の中へ。
前より濃く見える。
確かにエメラルドグリーン。
窓からの陽射しのせいだろうか。
一面に浮かぶ湯の華。
この頃、「う~ん」とか「はぁ~」とかが増えているかも。
私には丁度よい温度。
源泉は透明。
後はAIにお任せ。
「国見温泉のお湯が緑色に見えるのは、クロレラなどの藻類の繁殖と、
温泉成分による光の散乱が組み合わさるためです。
源泉は無色透明ですが、太陽光の紫外線に当たると藻類が光合成を始め、
全体がエメラルドグリーンに見えるようになります。 」
とのこと。
私には分かる様でよく分からない。
とにかく心地よい。
温泉と言えば効能は大事。
アトピーなどの慢性皮膚病、
痛風・慢性関節痛・筋肉リュウマチや
神経痛婦人病 などに効くらしい。
飲用では、 胃腸病・口内炎・慢性気管支炎によいそうだ。
窓からの陽光、エメラルドグリーンの湯の中で私の溜息が続く。
洗い場に上がり湯はかけないで、
肌に温泉成分がついたままで、上がって欲しいと書いてあった。
私は、ゆっくり入ってそのまま上がった。
さて昼ご飯。
先日は、きりたんぽ鍋定食を食べた。
まず、なめことアミタケを。
風呂上がりのきのこと大根おろし。
あっという間になくなった。
今日は、鍋焼きうどん。
長年使い込まれた土鍋に海老天と玉子などの具。
ある方がブログのコメントで東京などは海老天入りが多く、
生玉子の追加も出来る店もあると教えてくれた。
山の奥の秘湯で食べる鍋焼きうどんは、東京風?
温泉で温まった身体が更にぬくぬくに。
あ~美味しい。
盛岡から1時間とちょっとで秘湯。
しかし、たいてい冬季休業だ。
この冬は、春の待ち遠しさが増すばかりになりそうだ。
鍋焼きうどんの後は、
森山荘の方に話し露天風呂へ。
お客さんがいてカメラは使えなかった。
森山荘にはワンちゃん専用の露天風呂があり、
小型犬用と中型大型犬用と二つもある。
ちょうど可愛らしいワンチャンが入浴中。
写真をお願いした。
洗ってもらう間の風は冷たいが、
お湯に入れば温かい。
なかなかご満悦の様だ。
月に一度は来ているそうだ。
森山荘の方々に挨拶。
すると、
「また来年、良いお年を!」
笑って車に乗り込んだ。
盛岡へ帰るまで、熊は見かけなかった。
食べる物のない山深い所にはいなくなり、
人里へ行くようになったのだろうか。
と思った帰り道。
今季11月10日で営業終了。
後は来年の春。


























