盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
パソコンを開く。
続く生あくび。
どうもすっきりしない。
なんとなくFacebookのリール動画を見る。
とめどなく追いかけてしまう。
見事に興味をひく様に作られている。
気がつくと1時間近く経っていた。
ますます疲れを感じてしまい、
目と一緒に心も霞んでいる。
夏の疲れ、倦怠感。
「未病」という言葉が浮かんだ。
健康な状態から病気へと徐々に
グラデーションの様に連続しているそうだ。
少し居眠りしたが、すっきりしない。
意を決して立ち上がり、車のキーをポケットに入れた。
こんな時はリフレッシュ!
そうだ、チーズケーキを食べに行こう。
濃厚なレア、あっさりタイプまで揃い、
色々な味を楽しめる「チロル山岸店」へ。
Samba De Verao - Arpi Alto
カフェで。
大通りで喫茶店として始まったチロル。
創業昭和42年。
あの頃、大通り界隈には喫茶店がたくさんあった。
その後、チロルのチーズケーキが誕生。
まだ、チーズケーキは、盛岡では珍しかったと思う。
徐々に話題になっていく。
「雪どけレアチーズケーキ」
チーズをそのままカットした様だ。
しっとりとして綺麗な肌。
濃厚なレア。
サイフォンで丁寧に淹れられた珈琲とよく合う。
素敵なカップルの様だ。
気がつくとなくなっていた。
まだ、物足りない。
店の人に言った。
「あの、クリームチーズケーキを一つ」
チロルの定番だ。
ふんわりとしてほろほろくずれる。
スプーンで食べるチーズケーキ。
久し振りに食べたが、これなら幾つでも食べられる。
やって来た時と、たぶん違う顔になっているだろう。
心の中に広がる久し振りの青空。
昨年も暑かったが、今年の夏は蒸し暑く、
鉛色の雲が垂れこめる日が続いた。
自分で重い脚を動かすしかない様だ。
会計しながら、
「久しぶりでしたが美味しくて元気になりました。」
と言った。
外へ出ると雲の切れ目から覗く青空。
来てよかったと思った。
すると、雨が降ってきた。
店の前の道路向かいを歩くランドセル姿の子。
大きな樹の下に立ち止まり、傘を出す様だ。
少し時間はかかったが、慌てる様子もない。
傘を広げて歩いて行った。
なんだか自分よりしっかりしている様に見えた。
そんなある日の午後。