盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意してください。>

 

 

5月6日、ゴールデンウイーク最終日。

盛岡の街なかを行き交う車も少ない。

今日、雪に閉ざされていた雫石町、滝ノ上温泉への道が開通。

待ちわびていた。

午後2時半過ぎ、盛岡の街を出た。

小岩井農場を過ぎ、網張の麓から葛根田川沿いに奥へ。

 

 

奥羽山脈の懐に分け入っていく。

 

 

しばらくして道は曲がりくねって狭くなるが、

ゆっくり走れば快適なドライブ。

 

 

 

 

 

 

広くなった辺りで車を停め。

目覚めたばかりの黄緑。

 

 

 

 

Younger Than Springtime · Oscar Peterson

 

トンネルを抜けると、鳥越の滝。

 

 

 

 

 

 

青緑色の水が滝で勢いよく真っ白に跳ねる。

 

 

 

 

鳥越の滝は高さ30メートル。

渓谷のあちこちから水蒸気が吹き上がる。

この辺り一帯は鳥越デイサイトと言われる。

デイサイトとは地中深くから突き出てきた貫入岩。

地下遥かから突端が地表に現れた珍しい地形。

竹の子のてっぺんが地表から顔を出した様だ。

岩盤を葛根田川の水が途方もない年月をかけ、

滝と峡谷を削り出した。

人間がかなわない地球の迫力。

 

滝ノ上温泉を過ぎ、先に地熱発電所へ。

 

 

深い山の中にいかにも人工的な構造物。

ジブリの世界を想い、見飽きない。

 

 

 

 

少し引き返す。

 

 

滝の上温泉の辺りは、

既に江戸時代(天和3年1683)には金山の発掘で人が入っていた。

当時、ここに来るには大変な道程だっただろう。

滝の上にあるので「滝ノ上(かみ)」と呼ばれるが、

もともとは「滝のうえ」だったらしい。

あちこちで温泉が湧き、出るお湯の種類も色々だったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滝ノ上温泉には、何軒かの宿があり、

昭和20年代からは登山客や温泉客で賑わっていた。

しかし、時代とともに自然災害、老朽化などもあり衰退の一途を辿る。

一時は全て休業。

ところが2019年、「滝観(りゅうかん)荘」が復活。

とても素敵なゲストハウスになった。

最近になって川向にあった「滝峡(りゅうきょう)荘」も復活。

滝峡荘は、なんと地熱バイナリー発電所を併設。

長い時間をかけ、滝ノ上温泉は新たな形で蘇った。

温泉を経営する岩岡さんと2度ほど話す機会があった。

構想から10年、環境と自然エネルギーが調和した温泉郷が出来上がった。

 

滝峡荘の隣で発電された電気は、

自家用以外、周辺地域にも送電されている。

温泉の蒸気での発電のほか、

熱水からの熱交換により、自然エネルギーを余すところなく発電に使う。

その後、熱水は還元用の井戸を通じ地下に戻されている。

 

 

 

温泉卵があった。

 

 

 

 

 

木の温もりのロビー。

 

 

滝峡荘のお湯。

昔の檜の風呂を復元。

いい香りがする。

勿論、源泉かけ流し。

途中で冷えてはいるが熱いので水を入れ掻きまわして入る。

 

 

 

 

今日は許可をもらい撮影だけ。

 

 

もう4時過ぎ。

時間がないので入るのは滝観荘。

 

 

ゴールデンウイーク最終日。

昼頃は待ちわびた人が多く訪れたそうだ。

 

 

窓の下に川、向かいの山からは蒸気が上がる。

 

 

 

 

2度、夜に来た。

ここで毎年、紅葉の頃に十人ほどが泊り、

自炊を楽しむ会があり、日帰りで参加。

岩手の珍しい食材を皆で好き勝手に調理。

美味しく楽しい時を過ごした。

お洒落なレストランの様なフードコート。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

許可をいただき、早速撮影し、裸になった。

その日は、熱くもなく温くもなくいい感じ。

川のせせらぎ、お湯の流れる音。

肌に優しいお湯に四肢を伸ばし、新緑を眺める。

時間を忘れてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

盛岡に戻っても、まだ街は明るい。

創業400年の老舗「橋本屋本店」へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも各テーブルに飾られている花は、

入れ替わると入口の辺りに吊るされドライフラワーに。

その後、玄関に飾られる。

 

 

 

 

お茶を持ってきた店の人が、

前に来た時に聞いた花の名前を教えてくれた。

その時、店の人もど忘れしたという。

思い出したので、わざわざ知らせてくれたのだ。

一緒の方は書き留めていた。

そうそう、この方と、前も一緒に来た。

 

 

 

 

 

一緒の方はカツ丼。

綺麗な玉子の色と飴色のカツ。

 

 

 

 

美味しいのを知っている。

胃が騒ぐ。

 

 

味噌汁も美味しいのだ。

 

 

私は久し振りにワンタン麺。

 

 

大ぶりのワンタンが10個も入っている。

ほどよい歯応えのチャーシューもいい。

「Simple is Best!」と向かいの人。

続けて「でも、それが難しいんだよなぁ~」と言う。

橋本屋本店のメニューはどれも美味しい。

時代を越えて地元の人に愛される味。

 

 

ワンタンは、数えながら食べても忘れてしまう。

 

 

さっぱりとしたスープは、しっかりと出汁がきいている。

喉越しのいい麺もたっぷり。

 

 

美味しかったと頷き合いひと息。

辺りは、家族連れ、カップルにおひとり様。

テーブルが空いたと思えば別の客。

みんな老舗の味を求めて来る。

連休の終わりに食べに来た人もいるのだろう。

また、引戸が開く音がして席を立った。

 

 

「おや?」

 

 

足元に小さな白い花。

真ん中は黄色、ギザギザの葉。

イチゴ?

 

 

「ほら、実がつき始めてる」

と言われてしゃがみ込む。

小さな薄い緑の実は、ちゃんとイチゴの姿をしていた。

 

 

日が長くなった。

明日から働く人が多いのだろう。

静かな夜だった。

 

 

盛岡市本町通

「橋本屋本店」

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログへにほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 盛岡情報へにほんブログ村

にほんブログ村 スイーツブログへにほんブログ村

にほんブログ村 グルメブログ 東北食べ歩きへにほんブログ村

美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ グルメブログ・テーマ
美味しいものなんでも大好きグルメなコミュ