盛岡食いしん爺日記
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心躍らせて食べに行った。
目指したのは「直利庵」のそろそろ終わりも近い「牡蠣そば」
冬の「たちこそば(白子のそば)」や「鮎の子持ちそば」など季節の変わりそば。
四季を感じ、旬の味を嚙みしめる。
Mr. Lonely · The Lettermen
今宵はちょっと自分へのご褒美。
一つ、また一つと仕事が片付いている。
後は、二つ。
ここ数年は、締め切りがあれこれと重なり、
休みもなく頑張ってきた。
今は週に2度、バドミントン。
運動した翌日は温泉。
疲れた筋肉をゆったり伸ばす。
以前は温泉で心を弛緩させた。
たぶん今は顔が違うだろう。
お湯の中でのんびり四肢を伸ばす。
その日はある人を誘い一緒に行った。
「天ざるが食べたくて」と笑う。
「私は牡蠣そばなんです」
先日、食べたそうだ。
ばっけ(ふきのとう)もあった。
「春の心地よい苦味」の季節。
相変わらず、そばは美味しそうだ。
私は、また一つ仕事が終わり自分へのご褒美に「牡蠣そば」。
うどの白煮というのがあった。
汁まで飲み干した。
一つ向かいに分けると、
「出汁がきいてうどが上品になってる!」
そろそろ牡蠣そばも終わりに近いはず。
味わって食べる。
柚子の香り、下に敷かれたワカメ。
汁は透きとおり、旨味だけを凝縮した牡蠣。
まねできない老舗の味。
う~ん、美味しい。
壁に貼られた「本まぐろのキムチ」
二人とも気になり、頼んだ。
私は、ご飯の小も追加した。
これは、酒かご飯だ。
始めにキムチの味、噛むほどにマグロの甘味を感じた。
向かいの人はそば湯を飲みながら言った。
「相変わらず、食欲旺盛だなぁ~」と呆れ顔。
「美味しいものが頑張る源なのである。」と言うと、
「それはそうだけど」と笑う。
帰りがけ女将さんと少し話した。
たちこそば、牡蠣など食材は、自然が相手。
その年、その日によって量も大きさも違ってくる。
いつもお客さんにどうしたら喜んでいただけるか、思案しているようだ。
その想いが客を引き付け、長く続く秘訣なんだろう。
二杯目のそば湯を飲みながら思った。
伝統の味を守りながら進化する直利庵。
いよいよ山菜の季節。
今年はどんな「春の心地よい苦味」を味合わせてくれるのだろう。
そして何とも美味しい牡蠣そばだった。