盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください>
3月半ばから時間にゆとりができた。
フリーランスになり、特にこの3年半は大変だった。
自分は、器用な方ではないことが、よく分かった。
様々な仕事があり、チャンネルの切り替えに苦労した。
ようやく始めたバドンミントン。
まだ復活したとはいえないが、楽しいもの。
スポーツバッグの中の着替えや飲み物、膝のサポーターなどをチェック。
運動着に着替えてバッグを担げば、心うきうき。
しばらく会えなかった人達と会う時間もある。
美味しい物を食べながら話せば自然に笑みが零れだす。
先日は世話になっている人とランチ。
早めに行って中津川を挟んで見える盛岡城址を眺めていた。
木々の枝先が色づいていた。
David Foster - The Colour of My Love
<音楽が流れます、音量に注意>
柔らかい風、心地よい陽射し。
コートを脱ぎたくなる。
スマホが鳴る。
「中に入っています」とメール。
待合わせは中津川の毘沙門橋の袂、「草のゆかり」。
街中を流れる中津川と盛岡城址を川を挟んで見渡せる場所。
70年を経た古民家をリノベーションした毘沙門橋の袂の古民家レストラン。
テイクアウトの総菜もある。
4月でちょうど1年。
初めて来た時は11時半頃、
たまたま通りがかってレストランとは知らず覗くと、
「いらっしゃませ」と大歓迎。
なんとプレオープン第1号の客だった。
店主は、中ノ橋通、通称愛染横丁にあるイタリアンの「filo(フィロ)」の奥さん。
言わば姉妹店。
フィロの入り口を「まちを歩けば」という雑誌の表紙に使わせていただいた。
待合わせの人は窓際の席にいた。
テーブルやカウンターは、ほぼ埋まっていた。
隣の人はチキンカレーと総菜プレート。
このプレートがただ者ではない。
ピーマン、ジャガイモ、レンコンなど全て手間をかけて調理されている。
一つひとつの素材を活かす様に丁寧に作られている。
例えば玉子はスパイスが香り、ピーマンにもひと手間かけている。
スープはレンズ豆でたっぷり入っている。
ホロホロ鳥のカレーと総菜プレートがあり即決!
先日、花巻市の石黒農場で能登の震災支援の炊き出しイベントに参加。
農場主の石黒さんは、
コロナ禍で大変だったが、出荷できる様になったと話していた。
ようやく東京などの有名レストランに送り出した。
その時に久しぶりにホロホロ鳥を食べた。
フィロのシェフも石黒さんと繋がっているのだろう。
やわらかく骨から剝がしやすい。
色々なスパイスが溶け込んだカレーとホロホロ鳥の肉の旨味。
贅沢なカレーだ。
ご飯は発芽玄米をブレンドしている。
煎餅のようなネパールで食べられているパパドは、
豆の粉を揚げたものらしい。
カレーだけ食べたてみたり、ご飯をスープに浸したりと、
彩り豊かなプレートにのった料理を自分好みに食べられる。
デザートに田野畑山地酪農の牛乳を使ったプリン。
山の芝を食べて育まれる牛のミルクは季節ごとに味が違う。
夏は濃厚で、冬はあっさりした感じ。
吉塚さんの牧場を7、8年前に取材した。
そして、料理研究家にプリンを試作してもらった。
あの時の美味しいプリンを想いだした。
それが直接商品に繋がったわけではないが嬉しかった。
食べながら吉塚さんの牧場が浮かぶ。
牛が力強く芝を食む音。
のんびりと横たわる姿。
プリンを食べながら思いを馳せる。
なんだか幸せなひと時だ。
奥さんに送られて店を後にした。
「まだ、フィロに行ってないんです」
すると「いいから、ここ来てください」と微笑む。
外に出て「少し散歩しません?」
と一緒の人を誘ってみた。
「草のゆかり」
盛岡市下ノ橋町1−1