盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください>
「さて、どこにしよう?」
ランチに誘った人のことを考える。
その人の嗜好、ゆっくり話せる場所。
迷うのは相手のことを考えるからなのだろう。
たいてい会ってから決めよう、となる。
待ち合わせてとりあえず走る。
「何にしよう?」
「ゆっくり、ほっとする感じの店がいいですね」
頭に浮かんだのが紫波町にある「高福」。
盛岡から30分も走れば着く。
その間、近況の話など。
ROBERTA FLACK KILLING ME SOFTLY
<音楽が流れます、音量に注意>
「あら!」と言い指差した柱。
猫の時計のしっぽが左右に揺れていた。
それぞれオーダーして中を見回す。
落ち着いてゆっくり話す。
「わたし、もともと早口だったんです」
「へぇ~信じられない」
「会社を辞めてから、ゆっくりになりました」と笑う。
スープを飲み、春キャベツなど体に優しい前菜。
一緒の人は鶏の照り焼き。
食べ始めて「やわらかい~」
「ご飯も味噌汁も美味しい!」
こっちを見て言う。
私は、トマトソースのハンバーグ。
トマトの風味にたっぷりのチーズ。
丁寧に調理され、よくバランスのとれた味だ。
ご飯がすすむ。
煮込みハンバーグ風で、やわらかい。
ほどよくトマトの味がしみ込んでいる。
味噌汁をおかわりした。
店のオーナーが微笑みながら持ってきた。
「えっ~おかわりできるんですか!」
いつも2杯飲んでいる。
これは私の我がままなのだろう。
三種の餅も頼んでいた。
そもそも高福は百年以上続く餅屋。
今のオーナーになってから、
店を改装しカフェのコーナーを始めた。
餅や大福が美味しいのは、当たり前なんだろう。
「お餅、好きなんですね」と向かいの人。
中学2年の途中まで、岩手の一関で育った。
岩手の県南は、餅文化で知られている。
今でも法事の際に餅が出てくることもある。
小豆やごま餅は勿論、生姜、納豆、ずんだ餅。
ほかにも色々とあった気がする。
餅を好きというより、
しょっちゅう食べるのが当たり前だった。
スプーンは、椿の実で作った箸置きに置かれていた。
特にもきな粉餅が美味しかった。
少し粒が荒い感じのきな粉が、食べやすく甘さも優しい感じ。
子供の頃にむせそうになるので、苦手だっがこれはいい。
後は珈琲を飲みながら様々な話をした。
ついつい長居してしまう店だ。
ゆっくりのランチの後、その人は「まこも茶」を見つけた。
美味しくゆっくりしたランチになった日。
甘味処高福餅屋
紫波町 高清水寺字土手52-1