盛岡食いしん爺日記
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今年の3月の天候は不順だった。
暖かいと思えば翌日は冷えた。
3月半ばの雫石町の鶯宿温泉の帰り、
夕顔瀬橋の交差点を左折し、すぐまた左にハンドルをきった。
新田町、夕顔瀬町の通りへ。
思い出したら最後、無性に食べたくなる。
食べずには収まらないのだ。
通りに入ってすぐ、ほのぼのとした灯りが見える。
そこが「RA-МEN IKKEN」。
しめしめ席が空いている。
斜め向かいの駐車場に停めた。
マイ・ファニー・ヴァレンタイン · CARMEN McRAE
私は、迷わず塩ラーメンとお肉ごはん。
チャーシューは肉の旨味たっぷりで、2種の味を楽しめる。
穂先の長いメンマ。
小麦香る自家製麺。
それらを纏めるスープは飲み干してしまうほど美味しい。
これが食べたかったのだ。
その日、一緒に温泉に行った人は、しょうゆでふとちぢれ麺。
自家製の麺は、細麺とちぢれ麺から選べる。
食べ始めて向かいの人が「あれ、うつわが変わってる!」
確かに。
白いどんぶりに可愛らしい字で「いっけん」と書いてある。
その人、スマホを器用に扱う。
「去年、11月に変えたみたい」
「そうなんだ、久し振りに来たんだ」
「あら、字のデザインはお子さんなんだ、素敵!」
小学1年生のお子さんが、
イッケンの外観のイメージで書いたそうだ。
ささっと調べて説明してスマホを置いてまた食べ始めた。
「美味しい~」
時々箸をとめ、魚介、鶏ガラ、野菜など、
いろんな旨味が一つになってる感じだと言う。
レンゲで一杯スープをいただいた。
このスープは、色々な料理に使えそうな気がした。
お洒落な味で、どこか洋風の味がする。
小さめのどんぶりながら、
肉がご飯を覆い隠している。
見るからに美味しそうだ。
このチャーシューは、それだけでメインになれそうだ。
ごはんが足りないと思っていたら、
「少し、食べてみたい」
と手が伸び、レンゲいっぱいにすくった。
美味しいを連発して「幸せだぁ~」といい笑顔。
心の中の呟き「しかたないなぁ~」。
入れ替わりお客さんが出入りしている。
家族連れも。
ささっと黒ウーロン茶をおかわりして店を出た。
一緒の人を送っていると言われた。
「ひょっとして千葉さん、いつも塩?」
「うん、そうですね」
「たまには、違うのも」
言われて笑ったが、確かにイッケンに向かう時、
既に決めている。
頭の中は塩ラーメンでいっぱい。
帰り道は、たいてい次は別のを食べようと思うのだが・・・