盛岡食いしん爺日記
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２月下旬から時間にゆとりのある日々。
週に２度のペースで温泉へ行っている。
雫石町鶯宿温泉の「川長」へ。
数年前、春に裏の山に登った事がある。
急な斜面に群生するカタクリは見事だった。
その時の景色を思い出しながら、ゆっくり入る。
湯船で四肢を伸ばし、体の芯から手足の先まで温まる。
温泉は暮らしの一部になっている。
盛岡への帰り道、白鳥を見かけた。
白い田圃の中にいた。
よく見ると、まだ顔や首が灰色。
体も後に続く三羽は、一回り小さい。
家族の様だ。
更に北へ向かう日も近い。
親も安心している風だ。
Barry: Give me a smile · John Barry · English Chamber Orchestra
時間に余裕が出来てから、
しばらく会えなかった人達と、よく会っている。
その夜も久し振りの人と待ち合せ。
ここにしたのには、ちょっとした理由があった。
昨年の秋も深まった頃、
盛岡の旅行会社トラベル・リンクさんのまち歩きがあった。
市外から来た人達が殆どで、
早朝に盛岡城址の散策もあった。
その写真撮影を頼まれ、７時から同行した。
１時間ほど歩いて宿の北ホテルに戻り、朝食。
その時、美味しかった。
今度はランチか夕飯に行きたいと思っていたのだ。
ホテルとは別に窯の入口がある。
約束した人は先に来てメニューを開いており、
向かいに座ると、メニューを見せてくれた。
見せながら、
「なんか、いいよね」と言う。
中華、イタリアンなどもいいが、
夜に定食の様な和食を食べたいと思っても
意外に店が浮ばない。
端の方に８人ほどの男女。
人生を重ねて時間がたっぷりある感じだ。
楽しそうな笑い声。
どうやら同級生の集まりの様だ。
昔の事が話題になっている。
こちらが後輩だろうが、微笑ましいと思った。
向かいの人は「大根とじゃこのサラダ」。
それに焼き魚とご飯セット。
サラダはたっぷりでシェア。
瑞々しく食感もいい。
こんな感じで食べたい時がある。
私は久し振りに天婦羅が食べたかった。
頼まなかったが、サラダの取り皿と天つゆが二つ。
海老天と椎茸を分けた。
食べ物の話をしながら気がつけば完食。
２人で美味しかったと頷きあった。
互いの近況など話も弾む。
ふと思い出した事がある。
だいぶ前、ここによく来ていた。
あの頃、玉子のスパゲティがあった。
ほどよい塩味でたぶんフライパンで先に玉子を炒めてから、
絡ませる感じのスパゲティだった。
一緒の人も「あったあった」と深く頷く。
しばらくして「ゆっくりしたね」と立ち上がった。
会計しながら、スタッフに例のスパゲティの事を聞いてみた。
今は、出しておらず、和食中心になっているそうだ。
少し淋しかったが、
間違いなく、また来るだろうと思った帰り道。
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