盛岡食いしん爺日記
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近頃は7時過ぎに起きても苦にならない。
夜の10時半頃には布団の中、
夢の始まる前、
よく十年ほど前の記憶が蘇る。
今日は花巻で朝から仕事。
車は数分間の暖機運転。
エアコンは夏に25度で涼しい。
なのに冬はとても暖かく感じる。
順調に仕事も終了。
盛岡に帰る前、友達に電話して会った。
場所は吹張(ふっぱり)町の「喫茶きょうらく」。
今は静かだが、昔は賑やかだった街。
Atlantic Five Jazz Band - Christmas Moods
人通りは少ないが、中は満席だった。
帰りかけて一組のシニアが「今帰るから、どうぞ」と席を立ち始めた。
遠慮したが「いいから、ほんとに帰るところなんだよ。」
「はい、ありがとうございます。」
席に着くとほどなく3人が勢ぞろい。
テーブルの硝子の下に珈琲豆が敷かれている。
その上に小さめの可愛らしい土鍋が乗せられる。
蓋を開けると、華やかな鍋焼きうどん。
残念ながら味噌焼きおにぎりは完売。
ご飯がなくなったそうだ。
先日、盛岡の北田屋で食べた鍋焼きうどんの話を友達二人にした。
北田屋の奥さんは花巻出身で、私たちの高校の先輩。
鍋焼きうどんは、松山が発祥で鉄製の鍋らしいと話すと、
2人とも東北の食べ物だと思っていたと言う。
北田屋の鍋焼きうどんは、
あっさりながらしっかりときいた出汁。
優しい味でご飯が進む。
食べ飽きない
それぞれの店で個性がある鍋焼きうどん。
「海老天がいる」とか「シンプルがいい」とか話は熱くなる。
食べ物の話は盛り上がる。
皆で一致したのが「いくらはのって欲しい~」と、
もう一つは、それぞれの店の個性を楽しむこと。
好きな竹の子がのっている。
しっかりとした味付けで、やはり恋しい味噌おにぎり。
箸で持ち上げふうふう、ふう。
ここは昭和レトロの世界でシニアの社交場みたいなもの。
ひとり思いに耽る人、
賑やかな三人組、
何やら真剣に話す二人。
友達に、この間、
数十年ぶりに同級生の女子に電話した話をした。
「どんな感じだった?」
「セレブっぽい話しぶりで、頭の回転も相変わらず早かった」
すると一人が、「そうか、昔からその雰囲気はあったなぁ~」
とやや上を向いた。
だんだん時間が遡っている。
東京で暮らす女子と話していて、
ひょんなことから、
私が東京の紀伊国屋ホールのステージに上がった話になった。
すると「千葉君の顔が浮かぶようだわ」と言った。
学生時代にあったのが最後だから、その頃の顔だろうか?
それとも彼女の脳内でAIで私を年老いた顔にしたのだろうか?
会計しながら奥さんが微笑んで言った。
「いつも鍋焼きうどんの頃に来ますよね」
3人とも笑う。
店を出て解散。
今年は今日が最後になるだろう。
「良いお年を・・・」と笑って言い合い手を振った。
今年もあと2週間。
「喫茶きょうらく」
花巻市吹張町9-6
営業時間 11:00~15:00
定休日 日曜・祝日