盛岡食いしん爺日記
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時が移ろい時代が変わる。
改装した「東家本店」
創業明治40年。
今年の初夏に改装したが、漂う老舗の風格。
昼時はわんこそばを待つ人が並び、みんなスマホを向ける。
Night Lights · Gerry Mulligan Sextet
改装された店の中は「モダン」という言葉がよく似合う。
どういう人がデザインしたのだろう。
打合せの後の夕食。
たいてい順調に仕事が進めば、どちらからともなく、
「ご飯に行きませんか?」
一緒の人は天ざる。
手打ちの細いそば。
東家さんの取材は、何年前のことだろう。
そばを打つところを見せてもらった。
撮影が終わり、カメラマンさんに頼んだ。
「ざるそばにしますので、それも撮ってください」
撮影後、皆で少しずつ食べた。
その時、美味しかったので迷う向かいの人に薦めた。
「美味しい~」と嬉しそう。
ふとこちらを見て「よく来るんですか?」
サラリーマン時代は、小さなそば付きのかつ丼専門だった。
大人になり気がついたらそば好き。
特に多いのは東家、直利庵、若園、北田屋、やまやといったところ。
みんな名店で市の中心部にある。
そば屋で宴会もよくあった。
東家、直利庵と橋本屋に少人数の時はやまや。
〆に出てくるそばが楽しみだった。
今の時代、若い人がそば屋で飲むことがあるのだろうか?
夕方、先輩は一本の銚子を開け、もりそばを食べる。
後輩はビールにそばを二枚、三枚。
たいていご馳走になり、失敗談などを聞かされた。
真剣に聞いていたわけではなかった気がする。
しかし、後の仕事で役立った。
ところで、私は季節限定の「五目そば」。
相変わらず「限定」に惹かれる。
そばを覆い隠す、鶏肉、竹の子、海老、きのこなどの餡かけ。
上に三つ葉。
そばに絡む餡もいい感じ。
餡の下のたっぷりのそばは、熱々。
美味しい!
餡かけ好きにはたまらない~
食べ終わって店の前で解散。
現代の若い世代は上の世代と吞みながら話すことが、
どれだけあるのだろう。
そして憧れる先輩とか、いるのだろうか。
思い起こすと、はっきりと尊敬したり憧れていたわけではないが、
たいしたものだと思った人たちはたくさんいた。
温まった帰り道の足取りはゆっくり。