盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
クラムボンに珈琲豆を買いに行った。
2023年3月の紺屋町。
12月の街並み。
造り酒屋は、隣の雫石町に移転し、残っていた建物の解体が進む。
クラムボンのオーナーが、やはり淋しいという。
マンションが建つらしい。
ここから歩いて数分の圏内で、ほかにも2棟のマンションが建設中。
盛岡の城下町が形作られ約400年。
長い間街は変わり続けてきた。
木造で瓦屋根の町家は僅かとなり、
明治、大正時代のモダンな建物は少し残っている。
昭和に入って建てられた鉄筋コンクリートのビルも建て替えが進む。
淋しいが仕方のないことなのだろう。
しかし、江戸時代の頃と変わり方の速度が違う。
私が物心ついた頃に歩いた土ぼこり舞う道なんてなくなり、
車にしても様変わり。
暮らしには、当時思いもよらなかった様々な電化製品が溢れている。
そんな中、昭和ノスタルジーに浸れば心穏やかに。
父の後をしっかり継ぎ、
原点を忘れまいと日々焙煎機と向かっているクラムボンの娘さん。
圧倒的な存在感の焙煎機。
今のオーナーは言う。
「この焙煎機に教わっているようなものなんです。」と。
深煎りの美味しい珈琲を求めて豆を求める人は後を絶たない。
盛岡冷麺と焼き肉で人気のある「ぴょんぴょん舎」でも、
珈琲はクラムボン。
変わりゆく街の中、父の背中に追いつきたい娘。
店の中に溢れる深煎りの香りは前と変わらない。
今では、挽いてもらった珈琲を家で淹れると、
浮かぶのは娘さんの笑顔。
帰りがけ、入り口に敷かれた石が気になり聞いてみた。
店を開く時、前の建物で使っていた石を敷いたそうだ。
なるほど、そういう形で受け継がれるものもあるんだなあ~
Atlantic Five Jazz Band - Once I Loved
<音楽が流れます、音量に注意>
その日、忙しく遅い夕飯になった。
そんな時は、回転鮨がいい。
津志田清次郎本店へ。
ポイントカードのスタイルが変わるので葉書を持参。
席に着くと、スタッフがその日のお薦めと、
汁物を説明してくれる。
残念なことにあら汁はなく、海老頭の味噌汁にした。
二つの海老の頭から出る旨味。
なんともいい味。
金華鯖。
「活」とか「鮮」という言葉が似合う。
鯖の独特の風味。
美味しい~
いくらの醬油漬け。
粒が輝き宝石のようだ。
自分は、塩漬けより醤油派。
厚みのある帆立はひつもつき、美味しい。
レモンをかけなかった。
清次郎の茶碗蒸しも好きだ。
数種類あるが、いつもシンプルな物を選ぶ。
本マグロの赤身。
なかなか脂ものっていた。
歯がす~っと入る。
この感覚がいい。
平目の縁側があった。
大好物。
噛むほどに滲む甘味。
たまらない。
お茶を飲み、自家製のガリを食べてひと休み。
まてよ、黄金皿系ばかりを食べた。
予算オーバーだ。
「あ~ちっちゃい自分・・・」
まあ、よしとしよう。
マンボ巻きでしめ。
筋子とキュウリを包む鮨飯、それをぐるりと捲く海苔。
どうして「マンボ」なのか分からないが、美味しいのだ。
好きな物をほぼ好きなだけ食べた。
明日から、しばらく節約しよう。
皿を数えてもらって会計。
用意してきた葉書も出す。
前と違うスタイルのカードになった。
すると、
「今までのポイント分を割引しますね」
お~予算内で収まった~
ますます満足しての帰り道。