盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
盛岡市愛宕山の中腹にある、
喫茶「time&space 愛宕下(タイムアンドスペースあたごした)」。
2度目ですが、4、5年ぶりに行ってみました。
旧南部家が青森県の三戸から盛岡に移ってきた。
不来方と言われていた盛岡。
この地を薦めたのは浅野長政らしい。
1597年頃には本格的に築城や城下町が造られ始めた。
中津川に架かる上ノ橋、下ノ橋に擬宝珠も移設。
愛宕の意味は、火を司る神様で、五穀豊穣、商売繁盛の神様のお稲荷様と同じように全国にある。
数年前、ここで珈琲を飲みながら、
そんなことを思ったもの。
素晴しき日々へ 『あぐり組曲』より
<音楽が流れます、音量に注意>
下の方にある盛岡市中央公民館には南部家の別邸が残っているが、
今のカフェ「愛宕下」は昭和になって建てられ、
末裔の方が暮らしたもう一つの別邸。
建てられたものの10年ほどして暮らす人はいなくなった。
南部家から別の方が譲り受け50年ほどが経った。
10年近く前、持ち主の方が、
修繕し「time&space 愛宕下(タイムアンドスペースあたごした)」
として生まれ変わり素敵なカフェとなった。
薪が燃える暖炉からの柔らかな温もり。
私が生まれ育った小さな家では炬燵と石油ストーブだった。
風呂は薪と亜炭を使って沸かした。
亜炭というのは、生まれた一関ではよく使われていた。
石炭になる前のもので質の良くない燃料だった。
あの地方独自の燃料だったのかもしれない。
石炭を燃やすのとは違い匂いが強めだった。
家が丘の中腹にあり街を一望できた。
夕方になると家々の煙突から薄紫の煙が立ち上っていた。
愛宕下でゆっくりしていると、
どんどん記憶が遡る。
丁寧に淹れられた珈琲にはケーキもつく。
何気なくもう一度メニューを見た。
するとお薦めのリンゴジュースがある。
宇都宮りんご園の名前を知っている。
一度訪れてみたい、食べてみたいりんごだった。
甘味、酸味のバランス。
スッキリとしたのど越し。
太陽をたくさん浴びたりんごの姿が目に浮かぶ。
美味しい~
訪ねてみたい思いが強くなった。
きっと行くだろう。
久しぶりのゆったりとした時間の流れ。
気がつけば街の灯り。
当たり前だが、どこからも煙の出る気配もない。
オーナー夫婦に見送られて愛宕下を後にした。
オレンジの灯りが奇麗だった。