盛岡食いしん爺日記
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午後の一休みは「ちひろ菓子工房」へ。
百年を過ぎた古民家を素敵にリノベーション。
4車線の通りから数メートル引っ込んでいるだけなのに喧騒を忘れる。
小さな庭を見て回る。
玄関のそばにはレモン。
大きくなっていた。
果実のなる木を見ているとなんだかウキウキしてしまう。
十数年前、花屋の鉢植えのミカンが店先に置いてたあった。
緑の小粒の実が気になり、
一度通り過ぎたが、戻って買ってしまった。
リビングのミカンは、だんだん生気を失い、
一週間ほどたった深夜、ボトンと音がして目が覚めた。
フローリングの床に緑の実が転がっていた。
何が悪かったのか分からないまま、二度と買うことはなかった。
ただ、育てることに失敗した苦味だけは残った。
ちひろ菓子工房のレモンは生き生きと見えた。
Haruma Sato - Mendelssohn:On Wings of Song, Op.34-2
中に入ると、ケーキは完売。
棚にシフォンケーキも見当たらない。
「すいません、なくなっちゃいました~」
でも美味しそうなドーナツを見つけた。
百年の時を経てもしっかり屋根を支えている。
古材もデザインされたオブジェのようだ。
お洒落な空間に馴染んでいるのが不思議だ。
駐車場は通りに面している。
すぐ前を車が行き交うが、この空間は静かで心が落ち着く。
珍しい椿茶を発見。
東日本大震災の後、
大船渡では地中に根を張った多くの椿が生き残った。
そして花を咲かせたそうだ。
椿は、育つのが遅いがじっくり地中に根を伸ばす。
春に咲く紅い花、秋には実をつける。
「椿のお茶?」と思った。
ちひろ菓子工房に置いてあったパンフによると、
緑茶などは「ツバキ科ツバキ属チャノキ」ということで、
ツバキが原種らしい。
三陸の厳しい環境が椿の葉を大きく、厚みを増すことになり、
特にも糖分がためこまれる。
葉の色も濃いという。
大船渡には「三面椿」という樹齢1400年の日本最古の樹がある。
2023年の3月に椿山荘東京の庭園に植樹された。
読んで驚いた。
確かに「三陸椿物語」だ。
淡い色ながら香り高く、喉元を過ぎると甘味が残る。
実に美味しい。
ドーナツと椿茶、我ながらなかなかの選択。
陸前高田で北限の柚子の取材をしたことがある。
震災後に行った。
生きのびた柚子は、小振りながら沢山の実をつけいていた。
そろそろ三陸の物語を探しに行ってみたい。
ところで椿茶は、血糖値上昇を抑える効果もあるそうだ。
私には何よりのこと。
椿茶はこちら