盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注してください>
花巻での用事が終わり2時半。
遅いランチはマルカン大食堂。
エレベーターの扉が開いた途端に広がる昭和の世界。
Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado) · The Oscar Peterson Trio
<音楽が流れます、音量に注意>
歩きながら蘇る高校時代の思い出。
近頃は1階には来るが、6階に上がることが少なくなった。
高校時代は週に一度は来ていた気がする。
あの頃は街を眺めるでもなく、
友達と何を話しても身を反らして笑った。
今でも数人とは年に2、3度は会っている。
ある友達の家は広く、2階への階段が3カ所もあった。
昔は料理屋か、旅館だったはず。
高校3年の夏休み、
その友達を含めて6人で合宿。
皆の1週間分の米を持参。
名目は受験勉強。
学校から椅子と机を借りた。
担任の先生は手を叩ていて喜んだ。
PTAの会合でも話したほどだった。
1週間後、リヤカーに机、椅子を積んで返しに行った。
6人の顔を見て担任は肩を落とした。
そして叱られた。
みんな顔も艶々でふくふく。
勉強で疲れ果てた様子は微塵も無かった。
帰り道、「よく分かるものだ」と感心した。
家に帰ると体重は2、3キロ増えていた。
母に言われた「勉強しなかったね、顔にすぐ出るたちだから」。
マルカン大食堂から旧橋本家別邸の茶寮かだんが見えた。
緑色の屋根瓦は周囲の森と同化して目立たない。
計算して建てたのだろうか?
丘の中腹からマルカン大食堂の道路向かいまで旧橋本家の敷地だった。
蔵が立ち並びテニスコートもあったと聞いた。
そのお嬢様の一人が同級生だった。
卒業して間もないころ、
長い夏休みに帰郷して喫茶店で話したり、
手紙のやりとりもした。
あの人の記憶には残っていないだろうなあ~
何を食べるか迷ったが名物のナポリカツにした。
チケットを持って空いているテーブルにつくと、
店のウエイトレスさんが半券を契っていく。
しばらく待つとナポリタンとトンカツの組合せが来た。
「あっ・・・」
そうだった、量が多いことを忘れていた。
お腹は十分空いている、まずは食べよう~
トンカツを食べる。
下にも敷き詰められているナポリタン。
野菜もたっぷり。
懐かしい昭和なナポリタン。
美味しい~
すると「おい!」と声がした。
顔を上げると同級生が立っていた。
向かいに座った彼は中華ざる。
近況や最近の友達の様子を聞いた。
しばらくして中華ざるが来た。
2人で笑った。
「中華ざる1.5玉と書いてあったけど・・・」
また笑った。
「昔はあっという間だったなあ~」と懐かしい想い出話に食欲が増す。
2人とも完食。
「どう、10段ソフト」と言った。
「え~無理だよ、ミニならまあ」
「2人で食べよう!」
しぶしぶ頷いたので、チケットを買いに行った。
ほどなくやってきた10段。
コロナの前、同級生達で改めて花巻の街歩きをした。
外せないマルカン。
食後にソフトは7人中3人。
それもミニ。
その時、彼も一緒だった。
10段を見て笑いながら割りばしを持った。
割らずに使う。
交互に下から上に掬い、食べていく。
新鮮なミルク感!
やわらかく直ぐに溶け出す。
「半分までは美味しい~」
「後は根性だ!」
いい歳をしてはしゃぐ。
食べ終わってエレベーターに向かう途中、
マルカンビルのスタッフに会った。
1階に本を3種類置いてもらっている。
「さすがに10段は迫力ありますね、でも美味しかった。」
と言うと笑って「どうも、ありがとうございます。」
さて、後はゆっくり盛岡へ帰ろう。
彼は近くなので歩きだ。
「じゃ、また」
昔もそうだったなあ~
マルカンビル1階
https://www.instagram.com/marukan_bldg._1f/