盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください>
何度もブログに載せた小径。
「愛染横丁」と呼ぶ人も。
小径は盛岡の紺屋町と旧町名葺出町を結ぶ。
この辺りは観光で訪れる人も多い。
わんこそばの東家、江戸時代から続く呉蓙九や南部鉄器の工房、
染物屋、南部せんべいの店と老舗が多い。
でも、意外にこの路を通る人は少ない。
それもこの街で暮らす私には、
心地良いのかもしれない。
Scott Hamilton - Everything Happens To Me
<音楽が流れます、音量に注意>
サラリーマン時代に昼となく夜となく通った「北田屋」。
今もご夫婦は元気だ。
ところで蕎麦を食べる様になったのは、いつ頃からだろう。
子どもの頃、家は丘の中腹にあった。
数少ない中華そばや生そばの出前の記憶は、
どちらもつゆを吸って太く、天ぷらの衣はふやけていた。
それでも残って濃くなったつゆ、スープ以外は喜んで食べた。
学生時代、友達と中華そばを食べに行った時、
彼は、出てきたどんぶりを前に、しばらく箸を割らない。
のんびり一服していた。
半分ほど食べて「食べないの?」と聞いた。
すると煙草を消しておもむろに箸を持つ。
スープは縁に少し見える程度。
麺はしっかりスープを吸い込んで色も変わっていた。
ズズッと音を立てて彼は言った「うまい!」
その後、私も何度か試した。
子どもの頃の出前の中華蕎麦までいってしまうと、
別物になってしまうが、この方が美味しいと思ったこともある。
想い起せば、
学生時代にデートは、スパゲッティが多かった気がする。
あの頃、女の子と肩を並べて中華そばを食べた記憶がない。
たいてい男同士だった。
サラリーマンになって、
蕎麦は、ささっと食べられ、しかもリーズナブルだった。
あまり女性と食べた記憶はない。
たぶん無理してイタリアンや豪華な和食、
そうそう盛岡冷麺と焼き肉はよくあった。
歳を重ねてひとりで通った蕎麦屋に色々な人を誘うようになった。
「蕎麦好きですね」とよく言われる。
もう蕎麦屋に行くことは暮らしの一部。
あっさりと喉ごしを楽しむ年頃なのだ。
今日は、もり2枚。
1枚490円だが、一度に2枚注文すると750円。
さらに3枚で1050円と大お得。
好きな北田屋のもり2枚。
やわらかながら、蕎麦が香る。
権八とつゆをたしながらすいすい食べる。
あっという間に1枚平らげた。
旧南部藩では、権八と呼ばれる紅葉おろしが多い。
続いて2枚目。
まだまだするする入る。
飽きがこない蕎麦だ。
箸上げしてみる。
綺麗な蕎麦だ。
完食してそば湯を飲む。
11時15分頃に入ったが、もう40分。
席がだんだん埋まってきた。
隣に男性2人。
50代と60代だろうか。
座るやいなや店の人に年上の方が「もり3枚!」
もう一人も「では、私も」
厨房に「もり3枚2つ」と告げた。
食べっぷりを見てみたいと思ったが、混んできた。
カメラバッグを背負い会計に。
女将さんと旦那さんが揃って「暑いね~」
昼時間は忙しいのであまり話もできない。
そのうち、夕方にカツ丼を食べに来よう。
ゆっくり近況など話をしに。
北田屋
盛岡市中ノ橋通一丁目3-25 TEL:019-622-7145