盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください>
連日、熱中症警戒アラート。
むやみに外出するな、水を飲め、エアコンで冷やせ。
どうも9月に入っても暑いらしい。
いやはや北国のお盆過ぎと言えば、虫の音。
陽が落ちると肌を撫でる空気はひんやり。
そんなことは昔話になりそうだ。
The Entertainer (The Sting/Soundtrack Version/Orchestra Version) · Marvin Hamlisch
冷たい蕎麦でも食べようと「直利庵」へ。
明治17年創業の老舗。
高層マンションに囲まれても店構えは威風堂々。
混む時間を避けて7時半頃に入った。
空いていたが、小部屋の方にお客さんがいる様だ。
次々に蕎麦やカツ丼を奥へ運んでいた。
その日は個性的な感覚の人と一緒に行った。
テーブルに着くと、その人はすぐに話し出した。
「あのね、コオロギの鳴き声で気温が分かるんだよ。」
(X+8)×5÷9=気温
Xには15秒間にコオロギの鳴いた数
15秒間に25回鳴くと、25+8=33
33×5=165
165÷≒18.3 で18度となる。
「へぇ~信じられない」と笑った。
すると真剣な顔で続けた。
コオロギは気温によって鳴く筋肉が活発化。
回数が多くなると高いことになる。
話のオチは、
コオロギは世界にもの凄い数の種類がある。
つまり種類ごとに違うことになる。
ただ気温とコオロギの関係性はあるという。
20度から30度で鳴くそうだ。
私は、20度前後に秋の虫は、鳴くと聞いた。
朧げな記憶ながら、草むらから聞こえだすと、
涼しくなってきたと思っていた。
一緒の人は「なめこおろしそば」
涼しげだ~
「久し振りのなめこだぁ~」
と言うやいなや前のめりで食べ始めた。
私は、冷たい「野菜そば」か「オニオンそば」を食べるつもりだった。
しかし、頼んだのは熱々の「カツカレーそば」。
なんだかメニューを見ているうちに、
「夏の暑さに負けないぞ」とばかりに注文した。
直利庵の店内に入って涼んだせいもある。
「お~」
と向かいから熱視線!
直利庵の名物の一つ「カツ中華」もそうだが、
ころもがいつまでたっても剥がれない。
しっかり肉と一体化。
そして、サクサク感が残る。
美味しいそばにカレー風味のとろ~り。
出汁のきいた絶妙のとろみ。
美味しい~
ふうふうしつつ箸が止まらない。
ネギもいい感じ。
箸休め的に固すぎず柔らか過ぎず。
食材の全てに気を使っている。
興味津々の向かいにカツをひと切れあげた。
にんまりして食べて目を見開いた。
ふやけもせずに美味しいカツだ!
かつの厚みも十分。
ただでさえ美味しいそばに上質のとんかつ。
それを纏めるカレー風味のとろみ。
贅沢な一品だ。
さすがに額に汗は滲んだが、夏に負けていない気分。
そば湯を飲んでいると女将さんが来た。
「今年のお盆は混んだでしょう?」と尋ねた。
わんこそばは人手が集まれなくて出来なかったそうだ。
それでもそばを食べに来る客で賑わった。
以前、信州から盛岡の大学に来て、
ここでアルバイトしていた娘さんを思い出した。
ブロ友さんのお嬢さんで卒業して地元に帰っている。
直利庵の賄いが美味しかったらしい。
もう一つ聞いてみた。
今度、すじこそばを食べようと思っていた。
北海道産の木箱に入った上質のすじこを使うそうだ。
ますます食べたくなった。
たちこ(白子)そば、牡蠣そばも全く臭みもなく調理され人気だ。
季節の味を楽しみに人々は集う。
厨房の料理長さんに美味しかったと伝えてもらう事にして
店を後にした。
直利庵
〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目12−13