盛岡食いしん爺日記
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盛岡の材木町、「よ市」を歩いていたら、
肉が焼けているいい匂い~
材木町は旧南部藩の城下町の西の入り口。
400年以上の歴史がある。
昭和30年代の後半に国道が移設されてから、
人の流れが変わり、その後、郊外の大型店などに押され、
淋しくなるばかリ。
そこで、商店街の青年部が、
賑わいを取り戻そうと「よ市」を始め、今年で50年。
冬季以外、毎週土曜日の夕方に開催されてきた。
そして昭和の後半には道を広げ歩道を整備。
盛岡駅に近く、バブルの頃にはマンションが次々と建った。
その中で「よ市」は多くの人を集め、既に半世紀。
歩道には、あちこちに宮沢賢治をモチーフにした
モニュメントが置かれている。
約400メートルの通りに、70店ほどが並ぶ。
この街の雰囲気は、人と人が向き合う出店がよく似合う。
人を惹きつける魅力になっている。
On My Mind · Brian Culbertson
定期的な出店のほかにイベント的に出る店もある。
いい匂いの出所は
「久慈短角牛肥育部会 山形村短角牛」の皆さん。
短角牛は、古くから南部牛と呼ばれた日本の固有種。
和牛の中では大型。
旧南部藩時代に沿岸から内陸に「塩」を運んだ。
大自然の中で夏を過ごし山で子育てをすることも。
北上高地で暮らすには、
ダニなどの放牧病に対して抵抗力が必要で元気な牛。
短角牛は、1%しか流通しない貴重なもの。
低脂肪で、赤身が特徴らしい。
8日も久慈市山形からやって来た。
私は、少しだけ、よ市実行委員会を手伝っている。
この日を楽しみにしてきた。
早速、実行委員長を誘って食べた。
いい匂いは、だてじゃない。
しっかりとした肉質。
噛んでいると肉汁が滲んでくる。
口の中いっぱいに肉の旨味。
命の恵みに感謝したくなる美味しさ。
出店の人に「美味しい~」と言いながら、もう2本買った。
はるばる「よ市」に来ると、いつも完売だそうだ。
まだ5時半過ぎで残りは少ない。
県内の各地からイベント的に出店も多く、
三陸の海の幸もやって来る。
近頃は、地ビールのベアレンが大人気。
毎週人だかりができる。
短角をつまみにビールを飲んだら幸せだろう。
野菜や果物の店が少なくなってきている。
「神子田の朝市の方が盛岡らしい」と言った人もいる。
盛岡に来て「らしさ」を求めたいなら、それもよし。
「よ市」は、駐車場も殆どなく、暮らす人が楽しむ「市」だと思う。
人々のニーズを考え、今夜も実行委員会の役員会。
会議では活発な意見が交わされている。
ただ、先輩たちが語っていたのは、
「やる側も楽しくありたい」だ。
店を出す人の高齢化や春から秋まで野菜などを
揃える大変さもあるようだ。
課題は様々あるものの、
今日も材木町は賑わいの中暮れてゆく。
帰りに、老舗「むら八」さんのメンチカツとトンカツを買った。
後は、「マツコの知らない世界」で、
とり上げられたキムチを買おうかな?
野菜不足かな?
もう少し、人ごみの中を歩いてみよう。