盛岡食いしん爺日記
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先週のことだった。
花巻から盛岡を訪れた友達と夕食。
高校時代の級友は、気楽でいい。
「何食べる?」と聞くと、
「昨夜は魚だったから肉がいい」
頷いた。
彼は、今夜は盛岡泊り。
宿に迎えに行った。
そこから車で15分ほどの「瑠奈」へ。
ハンバーグや肉料理が美味しい上にゆったりとした席で話せる。
数年ぶりに復活したバドミントンの話をした。
十数年前、まだ大会に出ている頃、
花巻の体育館の試合に彼が見に来た。
試合の後、彼は、
「よく動けるね~」と笑っていた。
Carpenters – Superstar
もはや、あの頃のようにはいかない。
2年半ほど前、再びラケットを握ったが、
動けないし、空ぶりも。
とにかく足が出ない。
始めたばかりの人が多いクラブに半年ほど通った。
さほど動いていないのにコートの上で足がつる。
2か月ほど経つと家に帰ってつる。
半年後は寝床に横になると、両足がつった。
今は別のクラブに通っているが、時々、痛くて目が覚める。
「若くないのだから、気をつけろよ」
と言われる。
そんな話をして瑠奈についた。
「落ち着くね」
「ゆっくり話もできる、勿論美味しいよ」
「よく来るの?」
「年に数回は来てる」
「確かに運動してたら、肉を食べなきゃね」と笑う。
「チキンソテーにしてみよう」と彼は言い、
私は早池峰三元豚のソテーにした。
まわりのテーブルではカップルや家族連れが楽しそうに食事。
色々と共通の知り合いの話になった。
チキンソテーが出てきた。
目の前にして彼は、「お先に」と食べ始めた。
「いい焼き加減で美味い、この、ナポリタンがいいよね」
確かに、もっと食べたくなる。
彼はご飯を少なめに頼もうとしたので、止めた。
私が食べると言ったのだ。
一瞬、驚いた眼でこっちを見た。
運動を続けているかどうかで年をとると体力に差が出る。
学生時代、私たちはよく歩いた。
東京駅から新宿まで歩いても平気だった。
四十代ぐらいから、違いが出てくると思う。
「う~ん、ご飯が美味しい~」
「オーナーの田んぼがあるんだよ」
「ほう~自分で育ててるわけだ」
と言いながら、私に皿を近づけたので、ご飯を少し移した。
「もっといいよ」
また少し自分の皿に積んだ。
この量の分、体力も違う気がした。
早池峰三元豚がテーブルにのった。
チキンより鉄板が賑やかだ。
ジュワ~と肉汁の泡立つ美味しい音がする。
フォークとナイフで殆ど切ってしまい黙々と食べ始めた。
彼からもらったご飯もどんどん減っていく。
肉本来の旨味を引き出しあまり手を加えていない。
甘い脂身を噛んでいると幸せ気分だ。
「いい顔して食べるね~」と笑う。
「少し味見しない?」
頷いたので、脂身を避けて薄めに切って渡した。
「美味い!確かに噛んでいると甘味を感じる肉だなあ~」
私は鉄板の上に何の欠片も残さず完食。
向かいはまだ残っている。
チキンの端を切ってくれた。
少し焦げた皮も美味しい~
「チキンも美味しいね~」
と言うと、「しかし、凄い食欲だなあ~」
彼も食べ終えて、珈琲を飲むことになった。
「水出し珈琲か?手間をかけてるね」
彼は、意外なことに珈琲にメニューのプリンも指差し。
「どうだ、つきあえよ」とこちらを見た。
前は甘いものを好まなかった記憶がある。
各々食べ始めた。
カラメルソースがないプリンだった。
口あたりがよく、あっさりして美味しい。
プリンの主役玉子の風味を感じる。
向かいで「いいね、このプリン」
いい歳の2人は、ニコニコ。
珈琲を飲みながら、互いの近況のこと。
彼は、仕事をやめ、実家の畑で野良仕事が楽しいという。
私が猫に癒しをもらっていると言うと手を叩いて笑う。
スマホの写真を見せた。
「オレも飼おうかな?」
珈琲も無くなり瑠奈を後にした。
宿に送り届けてまだ9時過ぎ。
昔だったらいよいよ繁華街で佳境に入る時間。
彼は、10時には寝ているという。
明日は親戚の家を回るらしい。
いつもの様に「じゃ、またな」で別れた。
家に帰ると少し不機嫌のルハン君。
玄関近くにいた。
待っていたのかもしれない。
少し遊ぶうち、いつもの顔に戻ってきた。
昔、級友とキャンプに行って海を見た。
東京では、新宿の高層ビルを仰ぎ見た。
あの頃、確かに同じ光景を見ていた。
しかし、今は彩度も明度も違って見えているのかもしれない。
さて、少し遅れ気味の仕事を片付けよう。
明日は、沢山遊ぼう。
「嫌だ」と聞こえた気がした夜。
カフェレストラン瑠奈
〒020-0839 岩手県盛岡市津志田南2丁目16−26