盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
今週の始め、直利庵でランチ。
午後1時からバドミントンなので軽めに蕎麦にしようと思った。
チョイスしたのは冷やしのとろろそば。
Debussy - Arabesque No.1 and No.2
<音楽が出ます、音量に注意>
海苔の香り。
品のいい蕎麦に上質のとろろが纏わりつく。
するすると喉を通った。
食べ終えて12時過ぎ。
見渡すと席は満席。
会計しながら「野菜そば、いつからですか?」
女将さんが「13日からです~」
もうすぐだ。
14日の昼。
午後からの仕事の前に直利庵へ。
1時半過ぎでお客さんが入れ替わる感じ。
暖簾を潜る顔に「野菜そば」と書いてあるだろう。
丁度、入り口近くのテーブルが空いていた。
2階の席にも案内している。
厨房の女将さんと目があった。
「あら、千葉さん」と聞こえた。
お辞儀をして席に着いた。
店の人に「野菜そば、お願いします」と告げた。
頼んでから、そばを大盛りにしようか迷った。
そうだ「高野豆腐の煮びたし」を食べようと思い、追加。
すると、キュウリとワラビのわさび漬けと今朝つけたという小茄子。
ありがたいことに味見させてもらった。
「え~では、遠慮なく!」
キュウリから軽くわさび。
清々しい~
わらびとあう。
見惚れてしまう深い紫。
小茄子を噛むと例の茄子の汁。
続けて食べてしまう。
続いて「高野豆腐の煮びたし」
品があり美しい。
素材が色鮮やか。
しいたけの濃い風味、プリッとエビ、食感のいいさやえんどう。
勿論のこと美味しい!
まだ序章。
いよいよ高野豆腐を食べる。
よく冷やされている。
噛むと汁が滲み出る。
なんて美味しいのだろう~
前に女将さんに言ったことがある。
「こんなに高野豆腐が美味しい物だったとは~」
「そうそう、そうなのよ」と笑っていた。
それ以来、よく食べている。
これにご飯とかけそばがあれば、もう完璧。
いつも汁を飲み干してしまう。
いよいよ今日の目的、直利庵の夏「野菜そば」。
そろそろ立葵の花もてっぺんで咲く頃。
冬はたちこ(しらこ)に牡蠣。
春は山菜。
秋はキノコなど。
頭から噛むと、ほろほろ崩れる鮎そばもあるなあ~
季節の彩りを美味しく出してくれる直利庵。
受け継がれてきた老舗のつゆ。
されに夏らしくほどよい酸味も加わる。
ピーマンの心地良い苦味。
ニンジンの食感。
削り節が追い鰹のように汁に深みを増す。
3種の具の下にたっぷりの玉ねぎ。
そばは、その更に下。
つゆに浸って出番を待っていた。
薄く繊細に切れている野菜は、よくつゆを絡む。
きっと計算された薄切りなんだろう。
そばは言うことなし。
つゆを絡めてまた違う感じで、食べ飽きない。
明日も食べたくなる。
夏にピッタリだなあ~
2時近くでも、ほぼ満席。
ささっとそば湯を飲んで席を立った。
店の方々にひと言「美味しかった、盛岡も夏ですね~」
入る時、「野菜そば」で頭がいっぱいで気がつかなかった。
入口に飾られたリンドウ。
しばし、深い紫に見惚れた。
これだけ美味しい料理になれば、
食材を育む人も嬉しいに違いない。
直利庵(ちょくりあん)
- 〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1-12-13