盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
最近、花巻市で仕事が続く。
今日は午後に盛岡を発ち、夕方に終わった。
曇り空だが、今の時期に見るべき景色がある。
だいぶ傾いた陽射しを気にしながら円万寺に急いだ。
<円万寺からの眺め>
素晴しき日々へ 『あぐり組曲』より
<音楽が流れます、音量に注意>
日没前に間に合った。
田植えの時期、満々と田圃に張られた水。
屋敷林の深緑は海に浮かぶ小島のようだ。
毎年見る光景なのに、今日も幾度も息を飲む。
誰かが「松島」のようだと言ったらしい。
自分の春の風物詩。
目に焼きついている光景を毎年、新たに差し替える。
いつか夕映えの景色も見てみたい。
夏は抹茶をふんだん撒いたような緑。
実りの秋は黄金色。
円万寺に上る急勾配で狭く、曲がりくねった道。
冬、車は通行止め。
歩いて上り、雪原に浮かぶ島々を見てみたい。
感動していると腹が減る。
盛岡へ帰る途中、我慢できない空腹。
国道4号線から紫波町日詰商店街に入った。
「松竹」へ。
一緒のスタッフも「お腹ペコペコ、ソースカツ丼が食べたい!」
公共駐車場に停めながら迷う。
私は二者択一を迫られる。
おや大将のお母さんだ。
後を追うように私たちも暖簾を潜る。
中の昭和な世界にほっとする。
椅子に腰かけて迷う。
お母さんがお茶を持って来た。
向かいは「ソースカツ丼、お願いします!」
「それにカツを1枚増やして3枚で」とつけたし、「私はタンメン!」と続けた。
しばらくしてテーブルにカツ3枚の松竹名物「ソースカツ丼」。
狐色が胃袋をくすぐる~
このカツを1枚ゲット。
箸を割ったスタッフは、猛然と食べ始めた。
いきなり第4コーナーを回って一直線という感じ。
私は、カツをゆっくり味わった。
伝承のソースがいい。
甘過ぎもせず、濃さも丁度よく、とろみの感じもいい具合。
すぐ目の前で、地元でとれた「ひとめぼれ」にのるキャベツとソース。
あ~これだけでもご飯がすすむのだ。
タンメンも来た。
湯気にのってほどよいごま油の匂い。
始めはスープから。
もやしを中心に野菜の旨味が溶け込み美味しい~
小さく刻まれた豚肉の旨味も感じる。
極細の麺に絡むスープ。
言うことなしのタンメン。
いつだったか、ある方がフェイスブックに書いていた。
「松竹」に行くと「ソースカツ丼」か「タンメン」で迷う。
若い大将と話した。
いつも美味しさの秘訣を聞いても、
ソースカツ丼の肉は普通だと言い、
タンメンもちょっとした手間だけと話す。
特に高価ではなく、普通の食材をこんなに美味しくする。
彼は凄いと思う。
両方食べて大満足。
テーブルのメニュー見ていたスタッフが、
「あれ~こんなに色んなのがある!」
大将が笑って「そうなんですよ」。
チャーハン、オムライス、更科そば!
冬は鍋焼きうどんも。
右には、生姜焼き定食、とんかつ、海老フライに広東麺。
夏には冷やし中華。
「色々食べに来ます」と店を出た。
風になびく旗の「うまい!」は、そのとおり。
さて、次回からは、あれこれ悩みそうだ。
「誰かと来れば二種類食べられるなあ~」
呟くと、助手席で「つきあいますよ!」
二人で笑った帰り道。