I Left My Heart In San Francisco · Beegie Adair
<音楽が流れます、音量に注意>
午後4時、
陽は傾くも
白と黒の世界に翳りゆく青い空。
心なしか雪の丘も薄く染まっている。
車の温度計はマイナス4度。
少し窓を開けると冷気が差し込んで慌てて閉めた。
岩手山や西の山並みに湧く雲の流れ。
見ているうちに迫ってくる気がした。
温泉に行こうと思って網張の中腹の丘にあるありね山荘に来た。
年明けの三が日は、3時で終わりだった。
白い風の中、すぐに麓へ下った。
雫石の春木場駅近く、
御明神の郵便局の辺りにある
「Aurora Coffee Roasters」を覗いてみた。
灯りが見えた。
新里さんの珈琲を淹れている姿。
今年も頑張っている様だ。
半年ほどのご無沙汰。
新年の挨拶の後、見回すと雰囲気が変わっていた。
突き当りに長椅子。
木製の仕切りは、可動式の様だ。
奥に落ち着いた空間ができた。
奥に座り、出入り口を見てみた。
なんだか広く見えた。
壁のあちこちに木の温もり。
「おや?」
近寄ると、オーナーが説明してくれた。
「椅子になるんです」
2度発酵させたコロンビアの豆。
今注目の酸味とフルティーさが際立つ珈琲。
これを飲むことにした。
香り、味ともに熟成されたワインの様な感じ。
ゆっくり飲んだ。
以前、「酸味系の珈琲はにがて」という人がいた。
一度、ここに案内してきた。
すると、ひと口飲んで「極上の紅茶みたいだ~」とするすると飲んでしまった。
そして、豆を買って行った。
私は、初めて出会う珈琲を楽しみに来る。
初めて来た時、
庭先に洒落た小さなコンテナハウス。
一度通り過ぎた。
「あれは何だろう?」
気になり、戻った。
「オーロラコーヒーロースターズ」と書いてあった。
「珈琲店かな?」と思いつつ、
ゆっくりドアを開けたっけ。
椅子と小さなテーブルが置かれていた。
珈琲の焙煎だけではなく、小さなカフェでもあった。
あの驚きは昨日の事の様だ。
訪れる度に進化している。
後で豆を選びに買いに来ることにした。
カフェインレス珈琲のドリップパックを買った。
「ん?」
パッケージの素敵なデザイン。
手にとってみていると、オーナーが言った。
「楽譜の5線なんです」
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2021の空ちゃん(空色の眼なんです)
今日は、会えなかった。
帰り際聞いた。
「クウちゃんは?」
「寒くなると暖かいところから動きません」と微笑む。
オーロラコーヒーの帰り道、
いつも思い出すある人の言葉。
「夢は、小さな世界からでも始められるんですね~」
Aurora Coffee Roasters(オーロラコーヒーロースターズ)
〒020-0583 岩手県岩手郡雫石町上野二ツ森2-2