Andrew York plays "Home" on an 1888 Antonio de Torres
<音楽が出ます、音量に注意>
突然、嬉しい贈り物。
取り急ぎお礼の電話。
遠い親戚と久し振りに話す様に懐かしい感じ。
「昨日、翌日には届くと聞いたので送りました。」
「嬉しいです!」
「いつも、千葉さんは夏に来るので晩秋と冬のお菓子です。」
津軽の五所川原、御菓子処「葉山」の松橋さんから届いた。
包みや結ぶ紐にも心が踊る。
葉山の店の中が浮かぶ。
余計な飾りはないが、
若草色の土壁、吟味された腰板などが、
落ち着いた雰囲気を醸し出す。
包みを開ける。
お菓子がシンプルに並んでいるが、
よく見ると、一つひとつが繊細なつくり。
彼の創る御菓子の世界も店も同じ。
和菓子に、さほど興味がなかったが、
葉山の菓子に出会って和菓子好きになった。
「寒牡丹」
あまりに綺麗なので、食べるのは明日にしよう。
もう少し見てから味わいたい。
「晩秋」
イチョウの葉のあしらい。
晩秋、寒さ厳しい夜に一斉に散ると聞いたことがある。
ひと口で秋の終わりを食べてしまった。
ほのかな甘味が残った。
「姫椿」
中は白餡。
和菓子をあまり食べなかったのは白餡が苦手だったから。
姫椿は、餡と皮が一つになって美味しい。
「聖夜」
小さなクリスマスツリーの様な和菓子。
ふわふわとして甘さ加減が丁度いい。
先ほど出かけた時に見かけた晩秋が、
テーブルの上に広がる。
「山茶花」
練りきりの様な感じで美味しい。
葉山のお菓子を食べていると、和と洋の違いが無くなりそうだ。
沢山の人が和菓子に興味を持つかもしれない。
そんなことを思っているうちにどんどん無くなっていく~
「柚子饅頭」
この柚子饅頭も明日食べるつもり。
ふと、三陸の陸前高田の北限の柚子を思い出した。
五所川原の立佞武多が浮かぶ。
「梅衣」
もちっとした皮の中に梅が入っている。
口の中で爽やかな果汁が滲みだす。
夏は緑の衣を纏っている。
「栗時雨」
2番目に食べた。
栗しぼりの様なしっとりとした餡は豊かな栗の風味がして美味しい~
今年はコロナで3年ぶりに立佞武多を見た。
夏祭りに行くことは松橋夫妻に会うこと。
玄関の灯りの文字が小さくなっていたりして、
行く度に和菓子や店構えに小さな変化がある。
誰も気がつかない様なことを知ると嬉しくなる。
実は最初に食べた「暖火」。
柿羊羹の様な中にいんげんだろうか?
二つの食感を味わう。
なんと、切る前に写真を撮り忘れてしまった~
小学生だったお子さん達も社会人。
長いつきあいをさせてもらっている。
長い間、夏の御菓子を楽しんできたが、
初めての津軽からの晩秋と冬の味。
明日は柚子饅頭と寒牡丹を味わうつもり。
なんだか、ゆっくり津軽の冬を訪れてみようかな。
御菓子処「葉山」
〒037-0054 青森県五所川原市上平井町98