Desperado (2013 Remaster) · Eagles
<音楽が流れます、音量に注意>
冬将軍がやって来た。
雪を纏い出すと、ますます神々しい山に見える。
今日は街も、とうとう零度を下回った。
川の水も冷たそうだ。
奥羽山脈に陽が隠れ、
昨日までとは違い、風は一段と冷たくなった。
セーターとコートも厚手にしよう。
午後5時には、真っ暗。
なんだか夕飯も早く欲しくなる。
久しぶりに盛岡の老舗そば屋「直利庵」に行ってみよう。
歩きながら「天丼かカツ丼がいいなあ~」と思う。
引き戸を開ける。
「いらっしやいませ」
すぐ目に入った壁の貼り紙。
「たちこそば」が始まっていた!
そう言えばSNSで見かけた気もする。
女将さんが、「今年は早いんですよ」。
と笑顔で迎えてくれる。
頭から食べようと思っていた丼物が消えた。
「たちこそば、お願いします!」
近年、早くなっているらしい。
真鱈のあがる時期が変ってきたのだろうか。
待っていると、1年振りの再会にワクワクしてくる。
「来たあ~」と声になった。
しばし見惚れて色んな角度から見る。
北海道では、真鱈の白子を「タチ」と呼ぶらしい。
それで「たちこ」なのだろうか?
ちらっと一味をおとした。
大ぶりの白子をひと口で食べる。
くさみもなく、瞬時にとけてしまう~
ミルキーで美味しい!
ひとり、にんまり。
白子が苦手な人でも食べられそうな気がする。
私にとって冬の風物詩、直利庵の「たちこそば」
たっぷりの白髪ねぎとかいう長ネギの千切り。
ふんわりの主役を引き立てるシャキシャキの名脇役。
美味しく品の良いそば。
このそばと白子を合わせてしまう作り手の技。
老舗と言われる店で感動する事がある。
130年を超える歴史のある直利庵。
じっくり手間をかけ、丁寧な仕事をしていると思う。
夏の「野菜そば」もそうだが、
脈々と受け継がれてきた出汁が基本にある。
そして美味しいものを作ろうと、
女将さんはじめ店の人たちの心が食べる人に向かっている。
今日は、家に持ち帰りのもりそばと天婦羅を少し頼んだ。
こちらの帰るタイミングに合わせて準備してくれる。
心配りに包まれた紙袋を持って店を後にした。
歩き出すと冷たいはずの風もなんのその。
心遣いに感謝して足早になる。
家に着くとすぐテーブルに置いた。
たちこそばの後に天ぷらともりそば。
なんだか贅沢気分。
ひと月ほど忙しい日が続いていた。
一応、乗り切ったので自分へのご褒美にしよう。
なんだか、まだ直利庵で食べている気がした。(笑)
あれ?
まだエアコンもストーブも点けていなかった~
直利庵(ちょくりあん)
〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1-12-13