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Eric Clapton - Wonderful Tonight
<音楽が流れます、音量に注意>
岩手県庁などの官庁街と盛岡城址に隣接する桜山神社。
盛岡の人は、その間の一帯を「桜山」と呼ぶ。
神社の鳥居が店の軒にくっついている。
右に左に路地がある。
新しいモダンな店もあちこちに出来ているが、
それでも老舗と不思議な調和がとれている。
桜山の魅力だ。
コロナで途絶えていたが、
数人の同級生が集まった。
店を予約してくれた人は東京へ出張。
残念無念の欠席。
2日前、
「そろそろ集まろうよ」と言い出した人から電話が来た。
父親が体調を崩したそうだ。
急な用事が色々ある世代。
あえて男子、女子と言うが、男子4人に女子3人。
同級会に桜山はピッタリだ。
想い出話にいつもにまして花が咲く。
桜山にあるおでんの店「ハタゴ家」。
まずはビール。
今日も元気で会えた事に乾杯。
女子はおでんに大喜び。
美味しそうな飴色の大根と卵。
芯まで染みている。
私にとって、おでんは、あまりおかずにならないと思っている。
ここのおでんは別で、ご飯が欲しくなる。
出汁のきいた汁から取り皿に糸こんにゃくをのせた。
カラシをつける。
どうして糸コンってこんなに美味しいのだろう。
続いてはんぺん。
つゆを吸い込んだ味は勿論、食感もいい。
鱈の昆布じめ。
美味しい。
男子は、日本酒派と2人は酎ハイへと進む。
何杯かお代わりしてF君が言った。
「いつもよりペースが早い、もう飲み過ぎかもね」と笑う。
たまに外で呑んで帰ると、奥さんが、
「どうして家で呑むより、多くなるの?」と未だに言われるらしい。
理解し互いのだろうか?
それとも肴を作る若い妻は、悔しいのだろうか?
アルコールが回り始める頃、
想い出が酒の肴になり始める。
3年半ぶりなので、おそらく前回と似かよった話も多くなる。
それでも、皆で笑う。
白子の天ぷら。
熱々で、サクサクの中はとろりとミルキー。
東京での大学生活の人が多い。
地元組は少ない。
冬と夏は帽子が欠かせないという2人は、
グラスを傾けながら、ふさふさの時代に帰っている。
聞いていると二十歳前後の話題が多い。
一方、女子は両親や子供の話などに、
旦那さんの体調など今の話題がよく出てくる。
7人もいると、
ひとり身の人もいて、
まだ孫のいない人3人、
その日、子供と同居している話は聞かなかった。
さて鶏天が来た。
これは女子達のオーダー。
過去の思い出話は佳境に入る。
地元の大学に通っていた女子が、
東京に遊びに来た事があった。
その事を話し出した。
「皆で深夜まで呑んだよね~」と言う。
歌舞伎町の鮮やかすぎるネオン。
夜明けまで開いている喫茶店。
始発に向かって新宿駅東口へ。
歩く姿は騒いだ夜とは別人。
気だるさが漂う夜明けの新宿。
里芋のコロッケが来た。
これも女子のオーダー。
本当に里芋の好きな女性が多い。
イカの柔らか煮。
イカのふも入っていてコクがあり、柔らかい~
〆は、ハタゴ家特製、おでんの汁のお茶漬け。
9時過ぎには、〆の茶漬けも食べ終わった。
2軒目に誘う人もいない。
再会を約束して解散。
同じ方角の友達とタクシーに乗った。
先に降りて行った友達の背中に、
人生を背負ってきた男の自信と少しの疲れを見た。
自分の背中には何が映るのだろう。
盛岡市内丸5-14 「ハタゴ家」