West Coast Blues · Wes Montgomery · Johnny Pate
<音楽が流れます、音量に注意>
秋も深まり、
長袖を着て厚手のトレーナーを着こむが、
朝晩には首の辺りから入り込む冷気。
押入れにあるはずのストール。
探したが見当たらない。
諦めて出かけた。
1時間と少しドライブ。
雨上がりの西和賀に着いた。
田圃には首を垂れる稲穂。
黄金色と水滴。
立ち止まり、しばらく見ていた。
西和賀をあちこち巡り、盛岡に戻ったのは夕飯。
カフェレストラン瑠奈へ。
瑠奈と言えばハンバーグ。
ドアを開けて黒板に書かれた白い文字。
おすすめmenu。
新米銀河のしずく、
早池峰三元豚ロースのバターソテーシャリピアンソース。
ライス、スープにサラダ。
パンナコッタも選べる。
それで1,350円!
ハンバーグから変更。
今宵も、いい夕飯になりそうだ。
スタッフがやって来た。
「おすすめをお願いします」
「はい、ありがとうございます。トーストとライスのどちらに?」
「ライスで」
「プリン、パンナコッタとドリンクから選べますが?」
「パンナコッタでお願いします」
テーブルに置かれた瞬間、手を叩きそうになった。
視覚でも圧倒してくる。
いい匂い~
鼻から息を吸い込むと胃が反応した。
バターで焼かれたロースのソテーにソースをかける。
玉ねぎの甘みとコクがロースのソテーの味わいを深める。
ほどよく柔らかい肉、噛むと脂の甘み。
口元が緩む。
美味しい~
何年か前、シャリアピンソースの話を聴いた事がある。
イタリアかどこかの国のソースかと思っていたら、
今から80年ほど前に来日した著名なオペラ歌手のフョードル・シャリアピン。
帝国ホテルに泊まっていたが、歯の具合が悪く、
硬い物を食べられる状態ではなかったそうだ。
そこで料理長が、肉を柔らかくする効果のある玉ねぎをみじん切りにし、肉を漬けた。
それが、シャリアピンソースの始まりで日本生まれだった。
甘い長ネギ、
ほくほくのじゃがいも、
まるごとのアスパラ、
瑞々しい茄子と野菜も楽しんだ。
日本生まれのソースは醤油ベースで、ニンニクなども感じ、日本の味覚に合う。
新米のご飯が美味しい。
食べながら、今日見てきたばかりの稲穂が浮かんだ。
豪快に食べた後は、ゆっくりとパンナコッタ。
食を楽しませてくれた「おすすめメニュー」だった。
会計しながら、店の人に次のおすすめメニューを尋ねた。
すると「時々やるんですが、いつ、何かは食材しだいなんです・・・」
と苦笑い。
今宵は、どうしても伝えたかった。
「とても美味しかった」と。
カフェレストラン瑠奈
〒020-0839 岩手県盛岡市津志田南2丁目16−26