Stardust Ben Webster
<音楽が流れます、音量に注意.>
花巻を去る人、新たに暮らし始めた人。
久し振りの歓と送の集い。
通りから少し小径を奥へ。
薄暗い中に浮かび上がる看板。
隠れ家みたいな小料理店の「日足」と書いて「ひだり」。
ゆっくり引戸を開けた。
中は明るくカウンターから陽気な笑い声。
奥の小部屋に案内された。
ちょうど揃ったところ。
お通しに今年初のキノコ、この辺りでは「ボリ」と呼ぶ。
焼き魚には目がない。
集った目的を忘れて食べ始めた。
刺身が置かれると箸を離さなくなっていた。
口の中でとろける中トロ。
たまらない~
これから故郷に帰る人、新しく暮らし始めた人。
長く生きてきて、何度人を送り迎えたことだろう。
組織内での異動、暮らす街を去る人、来る人。
想えば数えきれない出会いと別れ。
思春期の頃は、進む道が違ったり、
青春時代の恋には別れがついて回ったり。
歳を重ねフリーランスになり、知的好奇心も錆びてきた。
だんだん好きな人達とだけ仕事している。
人生の先が見えてくると、それが心地良いのかも。
3時間、あっという間に過ぎ行く。
解散して散り散りに。
それぞれの道へ。
背中が闇に消えていった。
残った人達で次の店へ。
そここそ隠れ家の様な場所。
普通の建物の中にあり、ドアの向こうは日常を忘れる別世界。
一度、何人かで来たが、
時間がなくて数分だけ中を覗いて帰った店。
とても気になっていた。
ノンアルのスパークリングワイン、ロゼ。
照明を落とした空間にオーナーと客の会話。
それが耳障りじゃない。
店の空気にほろ酔い気分。
でも今日はハーフサイズを一本呑んで11時のシンデレラ。
ひとり先に店を出た。
この店の話は、またいつか。
日足
〒025-0079 岩手県花巻市末広町7−1