Moon Night(ノクターン第2番) 古澤巌
<音楽が出ます、音量に注意>
盛岡八幡宮例大祭二日目。
全ての行事は見られないが、
神輿渡御の行列の馬に乗る人も、
見ている人もみんな微笑んでいる。
色々な人とご挨拶。
今年は静かに通って行く。
それでも見ている方は祭り気分。
手古舞も綺麗です。
山車も少ないが高まる心。
盛岡の街ができてから続く祭り。
40才の辺りから3年ほどほど仕事の関係で祭りに参加した。
と言っても先付と言って街中を回る山車の遥か先を歩く。
軒先でご祝儀をいただく役目。
沢山いただくとチョークで道路に花丸の印。
そこに山車は止り音頭をあげる。
祭りのひと月ほど前に装束の準備をした。
雨の日は、江戸時代から続く雑貨屋で小さな傘を買った。
手拭いを被るのだが形を整えるのが難しい。
当日、着替えて家を出ると祭りの中にいる気分になった。
それから十数年が経ってまた参加した。
山車の前を提灯を持って歩くだけだった。
沿道の知り合いから声がかかり、
手を振ったり頭を下げたり。
幼い頃から行列の中にいたり、
太鼓を叩いたりして育った人たちは、
装束が板について暮らしの一部の様だった。
私は借り物を着ている感じ。
笛や太鼓の音を避け、裏道を歩いていた青春時代。
出る側に入るうち何かが変わった。
今年は花巻祭を見て盛岡八幡宮例大祭も見ることができた。
祭りを見た後、仲間達とひと仕事。
終わってから一緒に桜山のモンタンへ。
螺旋階段を上るのは久し振りだ。
花巻市の東和町の萬鉄五郎記念美術館でモンタン展があり、それ以来。
モンタンには色々な歴史と物語がある。
ア・ラ・モンタンのLLと口に出て、Lと言い直した。
昔のノリでつい。
今や盛岡のソウルフードの一つ。
熱々で紅のトマトソースに絡まる太麺のスパゲッティ。
麺は柔らかくピリ辛。
スープに馴染んでとても美味しい。
たっぷりの粉チーズとベーコン。
スープのコクが更に増す。
もう二十数年以上、思い出しては食べに来る。
一緒の人はメニューから「復刻のミートソース」を選んだ。
「美味しい!」と向かいの人の笑み。
ちょっと食べてみたいが次の楽しみにしよう。
1階に下りて会計しながら、
若きマスターに言った。
「美味しかった~ よく見ると色々なメニューがあるんですね」
すると、「ありますよ、でも久し振りに来たらア・ラ・モンタンでいいんです」
と相変わらず爽やかな笑顔。
通称「桜山」は官庁街と桜山神社の間にある一角を言う。
百を超える店が鮨詰め。
路地には昭和の空気が流れている。
歴史のある店や新しい店とあるが、不思議に調和がとれている。
このバランスは盛岡のまちづくりのヒントになりそうだ。
色々な事を思いながら近くの駐車場に向かった。
岩手県庁の灯りが煌々。
9月県議会の頃。
「中秋の名月も過ぎ、いよいよ日が短くなるね~」と言うと、
「きのう見たら、だいぶ欠けてましたよ」
月の満ち欠けはあっという間。
こうして9月も過ぎ、
もうすぐ朝晩は長袖だけでは心もとない季節がやってくる。
モンタン
〒020-0023 岩手県盛岡市内丸6−2
東大通りのスパゲッティ屋 モンタン Facebook