Beegie Adair Trio - Autumn Leaves
10月の連休の最終日、西和賀に出かけた。
あるそばが食べたかった。
朝からの雨はあがりそうだ。
そのそばとは利久庵の「松茸そば」。
「ん?ない~」
店のスタッフに聞くと先週で終わったという。
「きのこそばと芋の子そばが旬の新メニューです」
早速、一緒の人は「オレは、きのこそばを一つと鶏天!」
私は「芋の子そばと玉こんにゃくに豚角煮のミニ丼で」と言うと、
向かいも手を挙げ「舞茸五目ごはんもお願いします!」
スタッフはオーダーを読み上げ確認し、厨房の方へ。
流石に懐石料理の店が営むそば屋。
来る度に旬を味わえる新メニューに嬉しくなる。
松茸そばは、来年の楽しみにしよう~
向かいは鶏天を食べ、美味しいと言う。
たっぷりのきのこ。
舞茸を箸で掴むと見せてくれた。
堂々した大きさで香りが立ち込める。
美味しそうな五目ご飯だ。
芯まで味の染みた玉こんにゃく。
跳ね飛びそうな弾力。
これで100円とは嬉しくて美味しい。
芋の子そばが豚角煮のミニ丼と一緒にきた。
「利久庵」は土日、祝日の昼時だけの営業。
平日は、盛岡の大通りにある懐石料理の「田」。
知る人ぞ知る和食の名店。
実のところ芋の子はあまり食べないのだが、
きっといい具合に出してくれると確信。
母が大好きだった芋の子。
「この、ぬるぬるっとしたところがいいのよ。」と言っていた。
人生最後の秋も深まった頃、芋の子汁を食べたがった。
結局、汁と芋の子を少しかじっただけだった。
手術も出来ない状態で、胃の入り口から小腸にバイパス。
二か月と言われたが、雪の降りだす頃まで話ができた。
出てきた芋の子そばを見て当たりだと思った。
食べてみると歯応えが残りながら適度なとろり感。
汁も出汁がきいた上にきこが更に美味しくしている。
勿論、さらしな系のそばもいい。
角煮も柔らか過ぎずかたすぎず、いい塩梅。
交互に食べては自然に零れる笑み。
会計しながら「松茸そばは来年の楽しみにします。」と言った。
すると「来週から新そばです。」とかえってきた。
春は山菜、秋はきのこと旬の味は、週末だけ楽しめる。
一緒の人は「オレは来週からしばらく週末は空いている」とニヤリ。
こっちはそうもいかない・・・
松茸と新蕎麦の狭間で食べた芋の子そば。
満足のランチになった。
西和賀では寒ざらしそば、雪室そば、新そばと三度味わうそうだ。
利久庵の今年の最終営業は11月6日。
なんとかスケジュールを調整しようと思いながらの帰り道。
利久庵
〒029-5703 岩手県和賀郡西和賀町沢内貝沢3地割648−127