It's Been a Long, Long Time Lars Ranch & The Swinging Brass in Berlin
<音楽が流れます、音量に注意>
花巻市の大迫。
塩野さんの作品展に行って来た。
「宮沢賢治童話の世界観」
塩野夕子さんは賢治の生まれ育った花巻に
関東から地域おこし協力隊としてやって来た。
3年の任期を終え、大迫に賢治文庫を開いた。
根っからの賢治ファン。
ほのぼのとした作品を見ていると、
読んだ事のある物語も、
もう一度読んでみたくなった。
余韻を助手席に乗せて盛岡へ。
ある方と夕飯の予定。
ショートメールに「中華が食べたい」ときた。
頭に浮かんだ菜園の「城華」。
盛岡城址に突き当たる菜園の通りから一つ裏道へ。
朝からの雨のせいもあり、静かな金曜日。
今はもう昔の話。
この辺りにあった喫茶店で待ち合わせ。
約束は6時半頃。
急な仕事で職場に足止め。
落ち着きなく机に向かう。
当時の書類は手書き。
時間は刻々と過ぎる。
机に消しゴムのかすが溜まる。
課長が出来上がった書類に目を通す。
一緒に作った先輩達は課長の机を囲む。
OKが出た。
片付けていると先輩に呑みに行こうと誘われたが、
断って走り出した。
10時半を過ぎていた。
遅くまで開いている店だった。
奥に長い店の前で、ひと呼吸。
その人は奥の席でノートに何かを書いていた。
「一冊、読んじゃった」
文庫本とノートをバックにしまい込む。
一瞬、言葉を探す。
その人が言った「閉まるまで待つつもりだったから」
眠そうな作り笑いが胸に突き刺さった。
予定どおり城華に着いた。
入口の掲示板の「おすすめメニュー」が気になる。
何度か来ているが、
ハーフサイズが充実してきた気がする。
あれも、これも食べてみたくなる。
牛肉とピーマン炒めもの。
ほどよく柔らかい牛肉。
炒めたピーマンの食感。
彩りもいい。
下に敷かれた揚げた春雨。
黒酢酢豚もハーフ。
肉は噛むほどに旨味を残して消えていく。
黒酢の酸味が丁度いい。
取り皿にきっちり半分に分けた。
一緒の人は、
「麻婆豆富(とうふ)ご飯」
山椒の好きな香り。
取り皿に分けてもらった。
城華では自家製の「豆腐」を「豆富」と言う。
豆富の風味が喉を通るといい具合の辛さが残る。
美味しい。
いくらでも食べられそうだ。
五目チャーハンはフルサイズ。
ひと目で美味しいと分かる。
パラパラ過ぎず柔らか過ぎず飽きのこないチャーハン。
どんどん消えていく。
食べ終わってテーブルに資料を置いた。
10分ほどで確認が終わった。
お茶を飲みながら、
待ち合わせの時どのくらい待つか、と聞いた。
遅れるとメールが来たら、
買物したり寄り道するそうだ。
今は、落ち着かないまま待たなくてもいい。
「美味しかった」と頷きあって店を出た。
外は、まだ雨模様。
菜園の通りまで一緒に歩いた。
帰ったら今宵は賢治を読むか、
思い出に耽るか、
どっちにしよう、なんて思いながらの帰り道。
城華
〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1丁目4−1