ショパン - ワルツ 第9番 変イ長調 Op.69-1 《別れのワルツ》 アシュケナージ
<音楽が流れます、音量に注意>
夏の花。
ネットフェンスに巻きついていた。
透かして青空を見る。
少し青さが変ってきた気がする。
空と風から微かな秋の気配。
雫石の温泉に向かった。
山の懐は、涼しかった。
車の表示は18度。
快適気温と言われるが二の腕が冷たかった。
温まった帰り道。
岩手山を後ろにすすきの穂。
雫石を車で走ると、
季節の移ろいを感じる。
秋は一度色が抜け、彩り鮮やかな紅葉で終わる。
次はモノトーンの世界。
そしてほのぼのとした春の息吹を待つ。
収穫まぢかのトウモロコシ畑。
濃い緑色だった稲は、
穂先が垂れ始め、濃い緑は薄くなったきた。
ふいに道を何かが横切った。
ゆっくり走る。
左手の草木の影に耳が見えた。
車を停め、息を潜める。
顔を出した。
若いカモシカだ。
数秒こちらを見ると、
林に向かって跳ね、消えた。
これから、若いカモシカには色々な事を経験するのだろう。
ふと浮かんだ宮沢賢治が岩手山の麓を舞台にした物語。
盗森や七ツ森。
きっと時を遡れば、この辺り一帯は広大な森。
その頃の彼らにとって人間は馴染が薄かったのだろう。
環境の変化の話を簡単に言うつもりはない。
ただ、地球の時間からすれば、
ちょっと戻ると緑の世界が、
どこまでも続いていたに違いない。
そんな事を想像してみた帰り道。
あちこち寄り道して盛岡に着いた。
街はとっぷりと暮れていた。
盛岡の岩手県営体育館近くの「丸亀製麺」へ。
テイクアウトのうどん弁当もリーズナブルで、
美味しそうだ。
今宵は、どちらも時々食べたくなるカレーうどんと稲荷寿司にした。
子どもの頃、
カレーの翌日は、朝からにうどんになった。
大きな鍋から流れ出る匂いに目が覚めた。
子どもの頃は、ご馳走だった。
カレー粉から作るわけじゃなく市販のルーを使う。
アパート暮らしの学生時代は、
友達とニンジンや玉ねぎを刻んで入れたり一緒に作った。
ご飯がなくなるまでお代わりしたもの。、
コンビニの様に丸亀製麵の灯りに人が集まっては帰っていく。
外に出ると剥き出しの腕が冷やっとした。
虫の声も聞こえた。
夜になると秋の風が山から下りてくる。
もう8月も残り少ない。