桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎 -
時代遅れのRock’n’Roll Band(Full ver.)
<音楽が流れます、音量に注意>
先日、鶯宿温泉に行った。
偕楽園は相変わらずいい湯だった。
陽は傾き出した盛岡への帰り道。
今年も抹茶を撒き散らした様な田圃と遠く岩手山。
車を走らせるにつれ、空が色づいてきた。
雫石の街まで来ると迫力を増してきた。
街外れに来て車を停めた。
見る見るうちに、紅く染まる。
黙って見ていた。
自分だけに迫ってくるようだ。
地球が何か怒っている、そんな気がした。
後ずさりしそうになる。
時間にして十分ぐらいだろうか?
あっという間に空はグレイに変わっていった。
約束していた人と盛岡の繁華街、
通称、映画館通りで待合せ。
ご飯を食べながら仕事の軽い確認。
シネマ横丁の入口に店がある。
「食処 好 HaO(はお)」。
何度も前を通っているものの入ったことがない。
なんとなく通り過ぎていた。
そんな店は二人がいい。
彼に言ってみた。
「ここ、入ったことある?」
「ないなあ~ いつも中を見ては通り過ぎる」
立ち止まり、入ってみることになった。
2人とも木耳と卵の炒めものには目がなかった。
中は紅が基調で中華料理店らしい。
行った事などないが、
ニューヨークにありそうな店だと思った。
それと、見て来たばかりの紅い空を思い出し彼に話した。
この頃の夕焼けは不吉な予感を彷彿とさせるなどと言う。
その日は日曜だった。
マスターに聞いてみた。
「今日は日曜ですよね?」
たまに開けるそうだ。
二人で運がよかったのだと笑った。
隣はピリ辛の麻婆丼。
食べているうちに、
「お~けっこうきくけど、まろやかな辛さだ」
豚肉と木耳と卵炒め。
木耳が下に隠れていて次々に顔を出した。
この食感が好きだ。
そしてチャーハン。
ご飯を炊く時にひと工夫しているという。
焦げた醤油の香りに食欲全開。
食べ終わってウーロン茶を飲んでいた。
カウンター越しに「いかがでした?」
二人で「美味しかった完食です」と言った。
「あ~よかった」とマスータは屈託なく笑う。
釣られて笑った。
席を立ちながら、資料を渡した。
封筒から取り出して、パラパラとめくり、
「ありがとうございます。」
そんな程度の仕事だったが、
なるべく顔を合わせたい。
席を立つと彼は、
「店は変わっているだろうが、ちょっと寄ってみる。」
とシネマ横丁に入って行った。
昔、何度か肩を並べて、
この横丁の奥へ行った事がある。
あの頃は、次の日まで飲むのが当たり前だった。
少し肉が削げた背中を見送った。
さて、もう一つ片づける事がある。
私は、近くの駐車場に向かった。
食処 好(はお)
盛岡市中央通1丁目11-21 マルビル1F