Oferia De Amor / Salsa Peanuts
<音楽が流れます。音量に注意>
花巻から盛岡に帰って来た。
日暮れの空腹感。
穏やかな夕焼けの空。
もっと紅に染まるのだろうか。
そんな空に飛行機雲。
時々、機体が輝く。
操縦する人の横顔もきっと染まっているに違いない。
信号が青になり、アクセルを踏む。
そう言えば回転鮨の清次郎が近い。
津志田の回転鮨、清次郎。
カウンターに座るとスタッフが今日の汁ものを話してくれる。
あら汁があり迷わず頼んだ。
父と母が好きだったあら汁。
魚の切り身より美味しそうに箸を動かす。
魚によっては甘じょっばく煮ていた。
子供の私は、骨と悪戦苦闘。
さっぱり食べた気がしなかった。
父は、180センチ近い身長。
長い背を丸めてご機嫌。
大ぶりの椀がきた。
期待どおり身が骨にたっぷりついている。
味噌仕立てで、魚の旨味がぎゅっと詰まっている。
小さな椀に骨を入れながら、
背を丸めて黙々と食べ始めた。
父と母は、私が中学生の頃、よく喧嘩していた。
家を建てる話や私の進学の事でぶつかっていた。
よくある話で詳しくは覚えていない。
記憶が鮮明に残っている事もある。
ある夜、帰るなり父がテーブルに置いた派手な包。
転勤だったか昇進だったか忘れたが、
女性からプレゼントされたというネクタイが入っていた。
翌朝、ご飯を食べにリビングに行くと、
刺々しい母の声。
父が、早速、締めて行こうとしたらしい。
あら汁を食べながら、
遠い記憶で、ひとり思い出し笑い。
スルメイカが来た。
イカの刺身や煮物、フライもよく食卓にのったもの。
おかげでイカが大好物。
噛むほどに甘みが滲み出てくる。
下北半島で見たイカ釣り漁船の灯り。
小さな漁港の傍の食堂で食べた透きとおった刺身。
7、8年ぶりに行ってみたい。
続いてキスの天婦羅。
3枚もある。
今日もあった海ブドウ。
この食感がたまらない。
バクライも頼んだ。
ナマコのはらわたの塩辛のこのわたとホヤの組合せ。
いったいどんな人が考えたのだろう。
珍味は言葉にすることが難しい。
これも、そうだ。
魚屋さんの回転鮨だけあるな、と思う逸品。
〆は、かんぴょう巻に。
清次郎自慢の自家製を巻いたもの。
会計しようとして目に入った帆立。
厚みがあり艶々だったが次の楽しみにした。
今宵は思い出に浸りながらの帰り道。
明日も花巻、頑張ろう~
回転鮨清次郎 盛岡津志田本店
〒020-0837 岩手県盛岡市津志田町2-1-60 |