Caravelli – Rétrospective
<音楽が流れます、音量に注意>
北国の街盛岡の夏。
暑い日が続く。
若い頃から、ご飯より冷たい麺に走る。
数日前、燃える夕焼けを見た。
地球が何かに怒っている様だった。
明日も暑い日になりそうだ。
陽が隠れてしまう一瞬だけの光景だった。
岩手山の稜線と夕焼け。
暗くなり出すと今度は淋し気に見えた。
数日後のその日も暑かった。
夕飯時になって冷風麺、ざるそばが頭を霞める。
とぢらにしようかと迷いながら旧生姜町の辺りを歩いていた。
路地を覗いた。
空を遮る高層マンション。
少しづつ変わっている街。
ふと目にとまった暖簾。
一度だけ入った事がある東座(あずまざ)。
ある人の話を思い出した。
「暑い時こそ、熱々の濃厚ラーメンだよ」
その言葉が背中を押す。
入口の自販機で券を買った。
だいぶ前に食べた「濃厚味噌白湯そば」。
ボタンを押した。
チャーシューとメンマをトッピング。
テーブルのメニューには、
「県産の赤味噌と白味噌をブレンドした特製タレと鳥白湯を合わせました。
テンジャンメンで香ばしく炒めたシャキシャキもやしが山盛りです。」
と書かれてあった。
中太のやや縮れ麺に絡む深いコクの白湯スープ。
とろみがあり、濃厚ながら後味もいい感じ。
味噌ラーメン系に大切なもやしも美味しい。
丁寧に作られている気がした。
食べ終えて額の汗を拭いた。
またある人の顔が浮かぶ。
「しっかりメニューを見てから選ぶべし」
立ち上がる前に手にとってみた。
「炙りチャーシューミニ丼!」
トッピングのチャーシューが美味しかった。
外に出て「食べたかった~」と呟いた。
あの人がいたら腕組みして「ほらね」と睨むに違いない。
今年の夏は、熱く、こってり系も食べよう!