久し振りに盛岡は青い空。
車の窓を開けた。
剥き出しの腕に刺さる夏の陽射し。
稲荷町の「ぴょんぴょん舎」へ。
11時半なのに駐車場は混んでいた。
「森のマダン」というテラスにしてみよう。
スタッフに案内された。
「お~気持ちいい」
「どちらでも、よろしいですよ」
出入口の近くに座った。
白樺に巣箱。
高校時代友達と2人で出かけたキャンプ。
花巻の鉛温泉の辺り。
小さな川の傍。
一応、雨風はしのげそうな薄い緑のテント。
買ってきたパンとコーラに缶詰め。
暗くなると近くではキャンプファイヤー。
私達は下駄に破れて髪の毛がはみ出る帽子。
校風のいわゆるバンカラ。
焚火を囲む人達とかけ離れた姿。
ひっそりと懐中電灯の下、文庫本を読んだり、
話し込んだりして眠った。
夜明け頃、友達の甲高い悲鳴。
「なにかいる!」
彼の頭の辺りに生えていた膝丈ほどの小さな木を
曲者が揺れながら登る。
よく見るとセミ。
動きが止まり背中が割れて白い塊が出てきた。
目を擦りながら、
そっとテントを畳んだ。
ほかのテントはまだ静かだった。
羽が乾いたら飛んで行くのだろう。
花巻駅まで行き、朝ご飯にカレーを食べた。
自分はあの頃から変わったのだろうか?
さて、和牛カルビとレバー。
忘れかけていた開放感!
薄紫の煙。
頬が緩む。
どんどん網にのせる。
縁遠いアウトドア気分で浮かれている。
そんな私をもう一人の自分が笑う。
身体の奥から湧き上がる食欲。
焼き肉と交互にナムルも食べる。
「静岡産しらすと大葉のチヂミ」
「香ばしい」とはこの事。
カリッとしたしらすに大葉がいい。
塩でいただく夏の味。
「やあ、いらっしゃい」
声の方を見るとツナギ姿の社長。
「どうしたんですか?」と聞いた。
早朝から庭の手入れをしているそうだ。
近くには剪定された枝が積んである。
いつも驚かされる。
しばらく話して「ゆっくりしてって」
さて、〆は桑の葉冷麺。
添えられた錦糸卵、鶏も美味しい。
いつも飲み干してしまうスープは深いコクがあり、後味もいい。
麺は喉ごし抜群!
じわじわと人気が出てきたらしい。
マダンの森で食べる爽やかな「桑の葉冷麺」。
初めての時、緑に驚いたが、一度食べたらやみつきに。
今日の「森のマダン」でのランチはバーベキュー気分。
両腕を突き上げて深呼吸。
見上げれば樹々は高く伸び青空を囲む。
傍らにトンボ。
陽にあたり、
少しまどろんでいる様だ。
きっと私と同じ食後なんだろう。(笑)
なんか遠くに来た気分。
寒くなる前にキャンプに行ってみようかな。
いや、山の麓で珈琲を沸かすぐらいかな。
そんな事を思う自分に苦笑い。
さて、帰って打合せ2件。
上手くいきそうな気がしてくる。
〒020-0142 盛岡市稲荷町12-5