Sonny Clark Someone Nice like You
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久し振りに盛岡八幡宮にお詣り。
緑も濃くなっていた。
色々な事を祈り、石段を下りた。
すると朱の大鳥居の奥、八幡通りの先に岩手山。
そうか、ビルの建っていない時代は、
真向いに岩手山の姿が見えたのだろう。
八幡宮から歩いて10分ほどで、
改築中の盛岡バスセンターの辺りまで来た。
裏手に回って目に入ってきた「つかた」の紅い暖簾。
十年ほど前までは時々きた店。
ランチはタンメンが多く、何度か2階で宴会もした。
11時40分頃、暖簾を潜った。
十年前から時間が止っている気がした。
タンメンかラーメンと炒飯にしようと思ったが、盛岡は30度越え。
冷風麺にした。
たしか、ここで食べた記憶がない。
久し振りの店に来て、初めてのメニューもいい。
ちょっと踊りだす心。
しばらくして出てきた冷風麺は、麺が隠れるほど野菜たっぷり。
トマトとチャーシューものっていた。
なんだか嬉しくなって箸を持つ。
この店には、なんとも涼し気な冷風麺があったんだ。
あっさりとしたスープ。
麺は細麺でコシがあり、美味しい。
サラリーマン時代のように一気に食べた。
ご主人に言ってみた。
「十年ぶりに来ました」
にやりとして「そうでしたか」
いつもタンメンを食べていたことや2階で宴会をしたことなども話した。
あの頃、餃子もあったはずだ。
聞いてみると、夜のメニューだった。
2階でたらふく食べたり呑んだり。
会計して一歩外へ出ると、
2022年の現実に戻った感じ。
その日の夜、また「つかた」の前を通った。
周りは駐車場、近くには背の高いマンション。
後ろ側ではバスセンターが建設されている。
暗がりにポツンと建っていた。
夜の暖簾を潜ると10年前の仲間が何人か呑んでいそうだ。
きっとニンニクのきいた餃子でビール。
数人の顔が浮かんできた。
あの頃、よく食べ、よく吞んだ。
そして、よく話した。
そのうち紺の暖簾を潜ってみたい。
つかた
〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目9−5