La Califfa Ennio Morricone
<音楽が流れます、音量に注意>
窓を開け放つ。
ガラス越しじゃない陽射しと柔らかな風。
そろそろ「風光舎」の山吹が咲く頃。
車のキーをポケットに。
国道から小岩井方面に向かう道へ。
いつもは案内サインのとおり左折するが、
岩手山に向かって真っすぐ伸びる道に誘われた。
走るほどに山は近く。
山の麓が少し黄緑。
途中で西へ。
小岩井方面へ向かう道に戻り、牧場園の入口を過ぎる。
牛乳工場の方へ左折。
一本桜も過ぎ、西へ。
いつも色んな道を走って着く「風光舎」。
車を降りると小さな犬を連れた男性と出会った。
16年もの間、一緒に暮らす愛犬だそうだ。
歩くのもゆっくり。
奥様が来た途端、勢いよく駆けて行った。
「片方の目が見えず、耳は聞こえません。いつも妻の膝で寝てばかりなんです。」
静かに話すと犬の後を追って行った。
山吹は、散り始め。
アプローチにも溢れる。
足元に水色の小さな花。
真っ白な花も。
自然の色は見ていて飽きない。
桜の名所の小高い丘の中腹で育った。
ビルの4、5階ほどの高さにあり、街を一望。
家の裏手は緩い斜面になっていた。
桜に続いて一面に山吹が咲いた。
枝を折ると中に白い綿のような物。
それを取り出す。
笹竹を節のない長さに切り、更に細い竹の枝を用意する。
一方に山吹の芯を詰め、反対から押し出す。
ポンと飛び出る。
皆の様に上手く出来なかった。
でも、街や山野を駆け巡るのは得意だった。
中は混んでいた。
いつも窓際の席。
その日、風光舎のカウンターデビュー。
珈琲の香りに包まれ、
アクリル板越しに見ていた。
ケニアのすっきりとした苦味。
喉ごしのよさと後に仄かな甘み。
口あたりの温度も記憶している。
ケニアを楽しみ店を後にした。
この椅子に座ったら、
一冊の本を読み終えてしまいそうだ。
陽が傾きだした。
菜の花が見たくなった。
以前、雑誌の制作で、
菜の花畑をある写真家に依頼した。
「夕陽を浴びる菜の花」が欲しいとお願いした。
そのページは丁寧な手仕事で作られた雫石町、
かしわの郷の菜種油の紹介だった。
数日後に見事な写真が届いた。
夕陽を浴びた菜の花の色、そのままの「菜の雫」。
田植えも始まった。
畔に咲く菜の花。
傾きかけた陽を浴びて山吹色。
さて帰ったら、
7才の猫君を撫でよう。
飽きるまで遊ぼう。
思えば彼も毛変わりしては、もう7度目の春。
<情報はご確認ください>
コーヒー焙煎 風光舎
岩手県岩手郡雫石町長山堀切野8-7
TEL&FAX:019-693-4151
営業時間:10:00〜17:00
定休日:毎週木曜日・金曜日
(祝祭日の場合は営業致します。)
※冬季は変則営業になる場合がございます。
