盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意してください。>
年に2度ほど高校の同級生と盛岡の街歩きをしている。
今年は真夏の8月5日。
暑い日だった。
参加者は花巻から2人、盛岡で暮らす4人。
集合は旧岩手銀行本店、今の赤レンガ館の向かい「プラザおでって」。
2階のロビーで11時。
10分ほど前に行くと、もうみんな来ていた。
若い頃はよく遅れる人がいたが、年寄りは集合が早い。
ガイド役は私。
まず、6階の「盛岡てがみ館」へ。
盛岡で暮らしていても意外と来ていない人が多い。
エレベーターや窓からの展望。
昨年に訪れた赤レンガ館の全容も見ることができる。
中津川縁の見晴らしもいい。
Quando, Quando, Quando (with Nelly Furtado) · Michael Bublé · Nelly Furtado
<音楽が流れます、音量に注意>
てがみ館の内部は撮影できないが、入口の辺りは大丈夫。
担当に知り合いがいて少し雑談。
手紙だけの文化施設は全国でも珍しい。
ここを別の用途にという話もあり、残念だ。
先人たちの盛岡に纏わる手紙を収集し、一堂に飾る。
そんな意気込みで作られた施設。
目先の流行りに惑わされず、コンセプトを大切にして欲しい。
宮沢賢治、野村胡堂などの手紙の展示や企画展も行なわれる。
入口の書に作者の名前がなかったが、
同級生がポツリと言った。
「これ、うちの人なの」
みんなで声を上げて驚き、館のスタッフも歓声を上げた。
赤レンガ館は前回見たので、近くの啄木賢治青春館へ。
明治43年(1910)に第九十銀行本店として建築され、
設計は盛岡出身の横濱勉氏。
赤レンガ館の方は東京駅などにも関わった葛西萬司の設計。
同時期に建てられた二つの建物は、外観も中も全く装いが異なる。
入ると直ぐに吹き抜けがあり、外観は赤レンガで華麗な感じ。
一方の九十銀行は機能性を重視。
吹き抜けはないが、細かい意匠などが施され落ち着いた雰囲気。
啄木と賢治は、少し時期は違うものの当時、
モダンな建物が建ち始めた盛岡の街を眺めていたことだろう。
啄木と賢治の青春時代に思いを馳せるにはうってつけの場所。
しばらく自由に見学。
その後、ホットライン肴町へ。
今回は真夏の陽射しを避けて歩く。
建物の中やアーケード街。
その日は涼し気な吹き流しや七夕の飾り。
久し振りに七夕飾りを見て童心に返る。
オープンしたばかりのmonaka(モナカ)へ。
しばらく廃墟の様に眠っていた建物が解体され、
新しく肴町界隈のシンボルが出来た。
「すっぱい林檎の専門店。」を紹介した。
全国でも珍しい店だ。
すると2人の女性が口をそろえて言った。
「珍しいから、お土産に使ってるの」
なるほど。
酸っぱさにレベルがあり、最高の「X」は、なかなかのもの。
最近、盛岡の団子屋さんの事業を引き継いだ。
週に3日ほど販売し、美味しいと人気だ。
扱う酸っぱいりんごは完熟しても酸味の強い品種のりんごだ。
代表の藤野さんは、東日本大震災後、
会社を辞め宮城の沿岸で復興支援活動に携わった。
暮らすうちに「食」の豊かさに目覚めた。
地元のりんごに興味がわき、酸っぱいりんごが好みになっていく。
りんごの加工事業を模索中にフランスへ。
現地のりんごを食べ、ますます酸味を追求し始める。
帰国後、90種ものりんごを栽培している岩手の農家さんとの出会いが、
決定的だったようだ。
じっくりと数年をかけたうえで実践を始めた。
やはり人との出会いも大切。
モナカを出て次は向かいのバスセンター。
昭和レトロな建物だったが近年、改築された。
穐吉(あきよし)敏子さんのJAZZミュージアムもある。
ジャズファンなら誰でも知っているジャズピアニスト。
カフェもあり、ゆっくり珈琲を飲める。
ライブも開かれている。
時計は1時半を過ぎた。
殆ど汗をかかずに歩いたが、みんな腹ペコ。
旧町名葺手町に入り、盛岡らしい路を歩き、
さらに愛染横丁と呼ばれる路地へ。
(写真は以前のもの)
(写真は以前のもの)
混む時間帯を避け、遅めのランチ。
盛岡信用金庫本店の裏手の蕎麦屋「北田屋」さんへ。
奥さんが高校の大先輩。
私のほかに、それを知る人が一人。
「千葉君、様子を見て来て、混んでたら申し訳ないから。」
覗くと二手に分かれれば大丈夫そうだ。
みんなに手招き。
ひとりは冷風麺。
5人は北田屋名物「冷たぬきそば」。
私ともう一人は大盛に。
後輩がぞろぞろと6人。
奥さんは大喜び。
その笑顔が嬉しい。
奥さんに美味しかったと話し、まだ混む店を後にした。
今度来た時にゆっくり話そう。
再びモナカに戻り繁田(はんだ)園さんへ。
昔からあるお茶の店。
奥の小さな和カフェで抹茶ラテ。
最高級の抹茶をたて急須に入れ注いでくれる。
品のよい香り。
まち歩きの疲れも癒える。
ひょいと社長さんが来た。
「抹茶ラテ、最高です!」と言った。
少し話したが忙しそうだ。
その後、モナカの向かいにある喫茶店「未完成」へ。
うまい具合に2階の広いテーブル席だけが空いていた。
肴町にアーケードが出来る前からの創業で60数年。
盛岡の老舗喫茶店の一つ。
6人で珈琲を飲みながらゆっくり話した。
昨日、急にギックリ腰で来れなくなった人の話や今日の事、
昔の想い出と話は盛り上がり、つい写真を撮るのを忘れた。
今日はここで解散。
真夏のまち歩きは、アーケード街や建物の中。
歳を重ねてもみんな元気だった。
後日、「楽しかったよありがとう!」とメールが届いた。