Sarah Vaughan - Speak Low (Live @ The London House)
<音楽が流れます、音量に注意>
なんじゃもんじゃの花が咲いた。
色々な地域で「なんの木じゃ?」と言われたらしい。
それで「なんじゃもんじゃ」。
場所によっても種類が違う様だ。
知られているのは、明治神宮のヒトツバタゴ。
盛岡の官庁街と桜山神社に挟まれた通称「桜山」と呼ばれる一角。
堀の名残の水面に向かう様に咲く。
近寄ると小さく可憐な白い花。
5月下旬、一気に咲く。
池を挟んで見ると、まるで雪が積もっている様だ。
ヒトツバタゴは、絶滅危惧植物に指定されている。
今年で4度目の花見。
ある人に教わった。
「なんじゃもんじゃを知ってるか?」
笑って知りませんと言うと、
「一度は見た方がいい」。
説明板もあるが知る人は少ない。
夕方だったので真っ白な花が少しオレンジがかってきた。
初めて見る人を連れて来た。
驚いては「知らなかった」と何度も言う。
今宵は1年ぶりに2人で夕飯の約束。
「白い花見」をして中華料理「珍萬」へ。
先週2度、通りかかったがクローズ。
行ってみるとオープン。
聞けば、怪我をして3週間ほど休んだそうだ。
まだ痛むが厨房に立ち始めたばかりだった。
苦笑いでオーナーシェフが言う。
心配が消えた。
6時半を過ぎてもまだ陽は沈まない。
季節が巡るのが早いとか、健康状態の事などの話。
始まりはイカと木耳の炒めもの。
相変わらず綺麗だ。
色々な野菜と木耳の食感。
とろみに包まれたイカを楽しむ。
彼が言った。
「汁まで飲み干したい」
春巻き。
カリッとした皮、しっとりの餡。
海老ニラ饅頭。
食べ飽きない味。
一緒の人が「もう一皿食べてもいいね」と言った。
数年前なら、間違いなく途中で追加していた。
今は、互いに食べ過ぎ注意。
酢豚。
外せないメニューの一つ。
噛むほどに肉汁が出ては消えていく。
玉ねぎもいい具合。
酸味と甘みのバランスが絶妙。
もう2人とも夢中。
「美味しい」としか言わず黙々と動かす箸。
いつも思うが器も綺麗だ。
最後は揃って冷風麺。
珍萬では四季を問わず、いつでも食べられる。
金華ハムの様なチャーシューと錦糸卵。
スープに浸るキュウリはしなやかで美味しい。
海老もプリプリ。
冷たく透明なスープ。
すっきりとして喉ごし抜群。
たっぷりのスープを飲み干した事もある。
てっぺんを飾るカニ。
具材の競演を皿を回して眺める。
麺は硬めでコシがある。
美味しい。
クラゲと鶏ものる。
麺と具をバランスよく纏めるスープ。
珍萬らしい料理の一つ。
合間と食後にジャスミン茶。
彼は近頃、盛岡冷麺と焼き肉を食べまくっていると笑う。
おちた体力を回復すると意気込んでいた。
傾いてきた陽射しが、彼を照らす。
なんだか顔の色艶もいい感じに見える。
すると彼が「少し、痩せたんじゃないか?」ときた。
「うん」
「糖尿は、痩せるらしいよ、気をつけないと」
と椅子にもたれて言う。
詳しくは話さなかったが、順調に血糖値は下がっている。
先日は、病院で運動の成果だと褒められた。
とにかく元気で、
時々、一緒に美味しい物を食べようと言い合った。
そして、来月も会う事にした。
珍萬